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【第3回】「ねんきん定期便」をきっかけに定年退職後の生活に備えようおしえて!投資を始める前にやっておくべきこと
ねんきん定期便がやってきた2009年4月から公的年金の加入者の手元にねんきん定期便が届くようになりました。40代や50代の方々の多くは、定年退職後の生活資金はいくら必要なのか漠然とした不安をお持ちでしょう。 ファイナンシャル・プランナーの和泉昭子さんが、公的年金の見込額が把握できるねんきん定期便をもとに、定年退職後の必要資金や生活設計をわかりやすくアドバイスします。 資産の使い道と支出する時期により3つに区分 「ねんきん定期便」で将来に受け取れる見込額を計算したことで、漠然とした不安はなくなりました。しかし、予想以上に少なくてがっかりしています。私の場合、ゆとりのない節制した生活を送ることになりそうです。やっぱり投資が必要かなと思っているのですが…。 そうですか。投資といっても色々ありますが、何に投資しようとお考えですか。 そこを、ぜひ教えて欲しいのですが、何がいいのでしょうか。やはり株や投資信託でしょうか。 そうですね。でも、「貯蓄と年金だけでは足りない→株や投資信託に投資する」という考え方は、ちょっと短絡的。その前にやって欲しいことがあるのです。 その前にやって欲しいこと?どんなことですか。 はい。資産運用で失敗しないポイントは、しっかりと事前に準備をすることです。まずは資産を使途や支出の時期によって、「短期資金」、「中期資金」、「長期資金」に分けましょう。当面の生活費(3カ月〜6カ月分)や冠婚葬祭など急な出費に備えたお金は、短期資金です。中期資金は、5年以内に使う予定があるお金。たとえば自動車の買換えや住宅リフォームなどの費用は、これにあたります。貯蓄全体から短期資金と中期資金を差し引いた金額が、5年を超えて運用に充てる事が可能な長期資金となります。 短期資金は安全性と流動性が最優先 そうすると投資に回すお金は、かなり少なくなりますね。これでは定年退職後にゆとりをもって生活するのは難しい気がします。 たとえば、中期資金の一部も投資に回したほうがよいと思うのですが。 資産運用で失敗されている方の多くは、比較的近い将来に使うことが明確なお金まで投資にまわしていることが原因です。リーマン・ショックの際に狼狽売りした人も、多くはこのケースでした。予想に反して相場が崩れることは頻繁にありますし、リカバリーするまで数年かかることも珍しくないので、投資を行う際には資金の振り分けが必要なのです。 う〜ん、確かにそうですね。そうすると、短期資金、中期資金、長期資金で、お金の預け先をはっきり区別した方が良いのですね…。 その通りです。3つの性格の資金に、それぞれ相応しい金融商品があるのです。たとえば短期資金は、流動性(換金性)が最優先。そのため、普通預金やMRFを利用します。 中期資金は少しでも利回りのよい商品を そうすると、中期資金はどんな商品に投資すれば良いのですか。 中期資金は、数年後には使う予定があるので、元本割れの心配がない、安全性を重視した商品が合っています。たとえば定期預金や国債、社債などですね。 え、でも定期預金は、ほとんど利息がつかないですよね。 実はこの低金利下でも、好ましい金利の定期預金があるのです(表1)。100万円を1年定期に預けた場合、一般的な銀行では0.1%にも届きません。しかし、ネット銀行のS銀行では、0.8%(2009年12月20日現在)。O銀行では、0.5%(2009年12月15日現在)です。よく調べると、金融機関によって定期預金の利回りの差はかなりあるのです。 ▼表1 一般的な銀行とネット銀行の金利比較
※O銀行の金利水準は2009年12月15日現在
※S銀行の金利水準は2009年12月20日現在 ※B銀行の金利水準は2009年12月28日現在 ※すべて税引き前の金利 ということは、同じ100万円を預けても1年間で1,000円の利子もつかない商品と、8,000円や1万円も利子がつく商品があるのですね。確かに大きな違いだなぁ。これ以外に中期資金の運用に向いている商品はありますか。 期間の短い個人向け国債や新窓販国債などですね(表2)。国債は国が元本と利払いを保証しているので安全性が高く、利回りでもネット銀行の定期預金などに比べて遜色はありません。 同じ10年の国債でも、個人向け国債と新窓販国債ではずいぶん金利が違いますね。 そうですね。期間10年で見た場合、個人向け国債は変動金利なのに対して、新窓販国債は固定金利です。募集時の金利だけで比較すると、新窓販国債のほうが有利にみえますが、今後10年の間に金利が上昇し逆転すると思えば、個人向け国債を選択するという手もあります。 ▼表2 個人向け国債と新窓販国債
出所:財務省
※利回りは、すべて応募者利回り(税引き前) ※個人向け国債 10年変動(第29回) 5年固定(第17回) ※新窓販国債 2年固定 平成22年1月債、5年固定と10年固定 平成21年12月債 個人向け国債と新窓販国債は、銀行や証券会社などの金融機関で購入できます。 詳しくは、下記URLをクリックしてください。 【新窓販国債 取扱機関一覧】 【個人向け国債 取扱機関一覧】 資産全体を大きく占める短期・中期資金の運用を見直す ネット銀行の定期預金や個人向け国債は元本保証商品ですが、気をつける点はありますか。 ネット定期には、原則的に中途換金ができない商品もあります。また、個人向け国債は発行後一定期間経過しないと換金できなかったり、新窓販国債は金利上昇期に途中売却すると売却損が発生することがあります。相対的に高い金利を手にするためには、流動性を手放すことになるわけです。こうした中途換金を避けるためにも、予め、使う時期を明確にしておくことが大切です。 また、最近は個人向け社債にも、3年程度で1.5%前後の利回りを提供しているものがあるので、利用してみるのも一法です。ただし、社債は国債に比べ信用リスクが大きいので、発行企業の格付けなどを確認することが必要です。 短期・中期資金の運用を見直す必要性はわかりましたが、そこまで利回りを追求しなければならないのでしょうか。 労働収入が増えない時代、人間が働くだけでなく、お金も有効に働かせたいとは思いませんか? 節約などに勤しむ一方で、一時たりともお金を眠らせないことが大切です。特に現役世代では5年以内のライフイベントも多いので、資産全体に占める短期・中期資金の割合が大きくなります。低金利だからと侮って放っておくのと、無駄なく利息を稼ぎ続けるのとでは、数年後に違いが出てくるでしょう。また、金利に敏感になることは、投資を行う際、相場の状況を把握するにも役立つはずです。 だんだん、投資をする意味がわかってきた気がします。長期資金の運用についても、詳しく教えてください。 長期資金については、実にさまざまな商品があります。自分にぴったりの商品を選ぶには、商品の特徴やリスク、リターンについてきちんと理解する必要があります。これについては次回、じっくりとお話ししましょう。 監修:ファイナンシャル・プランナー/和泉昭子 この記事に関連するキーワードをおしえて!マネーで調べてみよう!(会員登録すると質問と回答が出来ます)ソーシャルブックマークに登録:
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