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特集・コラム [ 蟹瀬誠一コラム ]
蟹瀬誠一のキャリア塾 第9回
「睡眠の効用」

明治大学国際日本学部長
国際ジャーナリスト 蟹瀬誠一氏
- 最近、「マイマット」がブームになっているのを御存じだろうか。
- フィギュアスケートの浅田真央選手や、水泳の北島康介選手は、海外を転戦する時、自分専用のマットを持って出かけている。このマットを敷いて寝ると安眠できるというわけだ。身体を張って競技を行うアスリートにとって快適な睡眠は、疲れを取るためにも重要である。
- 睡眠が大事というのは、何もこうした一部のスポーツ選手に限った話ではない。ビジネスで多忙な毎日を過ごしていると、睡眠時間を取るのもままならないという状態に陥りがちだが、睡眠を取らないと、確実に判断能力が鈍ってしまう。もちろん、健康にも決して良いものではない。ビジネスパースンとして活躍するためには、心身の健康が何よりも求められるのだから、睡眠はしっかり取るように心がけるべきだろう。
- ただ、「良質な睡眠」は、時間の長短とはあまり関係がないようだ。つまり、長く寝たから良いというものではない。
- たとえばナポレオンは、毎日3時間睡眠で激務をこなしていたと言われている。一方、アインシュタインは9時間以上寝ないと、全く頭が回らなかったそうだ。つまり、人によって最適な睡眠時間は異なるということが分かる。大事なのは、たとえ短い睡眠時間であったとしても、一気に深い眠りに就けるかどうかということだ。だからこそ、安眠マットや安眠枕が飛ぶように売れるのである。もし、一気に深い眠りに就けるなら、睡眠時間は多少短くても十分だ。これは、仕事を効率的に進めていくうえでも、重要なカギを握っている。
- 私事で恐縮だが、以前、朝のラジオ番組のレギュラーを、3年にわたって続けたことがある。もちろん、平日は毎日放送があるわけだが、朝の番組だけに、1日のスタートが非常に早くなる。当然、睡眠時間も短くなり、番組を持つまでは1日8時間睡眠ということもあったが、番組が始まってからは4時間睡眠が当たり前になってしまった。
- 「それはきついでしょう」と、知人などからも言われたが、実は4時間睡眠を繰り返していると、徐々に身体が慣れてくる。そのうち、あることに気が付いた。
- 人間、90歳まで生きられたとして、毎日8時間睡眠を繰り返していると、何と通算で30年間は寝ていることになる。でも、睡眠時間を半分の4時間にすれば、8時間睡眠の人よりも15年間を余計に生きられることになる。15年もの時間があれば、何かひとつのことを成し遂げるには十分な時間だ。そう考えたら、いたずらに惰眠をむさぼることが、いかにもったいないかという思いに至った。結果、ラジオ番組が終わった後も、5時間睡眠を続けている。
- では、ぐっすりと安眠するにはどうすれば良いのか。
- まず、「明日の朝は気持ちよく、さわやかな気分で起きられる。疲れも完全に抜けている」という自己催眠をかけること。そして、寝る前に布団のなかで笑い顔を作ること。この2つを実行するだけで、案外、気持ちよく、翌日の朝を迎えることができる。
- ただし、笑い顔を作る場合は、他の人が見ていないところでやらないと、気持ち悪がられるのでご注意あれ。
- もし、なかなか寝付けないという時には、指先から全身に至るすべてに力を込め、すぐに脱力させる。これを5〜6回繰り返しているうちに、眠りに就けるはずだ。
- もし、8時間睡眠の人が、上記の方法で良質な睡眠をとれるようになったら、恐らく6時間睡眠でも十分になるはずだ。2時間も自由な時間を持てることになる。浮いた時間を利用して、ビジネスに関連した勉強をするのも良いだろう。特に朝は、脳の働きも活発なので、非常に有益な時間の使い方になる。
- 日々、忙しいビジネスパースンだからこそ、睡眠をコントロールして、上手な時間の使い手になる必要がある。朝の2時間を制した者が、ビジネスを制することになるのだから・・・・・・。
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掲載日:2011年月12月28日
- 蟹瀬誠一(かにせ せいいち)氏プロフィール
明治大学国際日本学部長
元スーパーモーニングニュースキャスター
- 米AP通信社記者、仏AFP通信社記者、米『TIME』誌特派員を経て、91年にTBS『報道特集』キャスターとして日本のテレビ報道界に転身。
文化放送「蟹瀬誠一、ネクスト」のパーソナリティ、『経済討論バトル頂上決戦』 (朝日ニュースター)『賢者の選択』(BS朝日)
『地球感動配達人 走れ!ポストマン』(TBS)などのキャスター・レギュラーコメンテーターを務め、カンボジアに小学校を建設するボランティア活動や環境NPO理事としても活躍。 2004年から明治大学文学部教授、2008年から同大学国際日本学部長に就任。
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