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特集・コラム [ マネーセミナー体験記 ]

ボーナスで投資デビュー〜はじめての株取引〜 ボーナスで投資デビュー 〜はじめての株取引〜

「マネーセミナー体験記」の第9回目は、日本経済新聞社とジョインベスト証券が11月26日に開催した「ボーナスで投資デビュー 〜はじめての株取引〜」です。今冬のボーナスで投資を始めてみたいという初心者向けのセミナーには、株式投資の基本を学ぼうと若い女性からシニア層まで、幅広い層の個人投資家が参加しました。講師は著名ファイナンシャルプランナー(FP)の深野康彦さんで、実体験に基づいたお話は投資経験者にも楽しめて役に立つ内容でした。

 

資産運用の目的は、豊かさを手に入れるため

 
セミナーは11月26日、東京千代田区の丸の内オアゾ内にある「日経ノティオ」で開かれました【写真1】。講師はフィナンシャルリサーチの深野康彦代表で、著作やラジオで活躍する著名FPのセミナーということで、約50名の個人投資家が参加。冒頭で、深野さんの近著「家計崩壊『見えないインフレ』時代を生きる知恵」も紹介されました。
写真1 丸の内オアゾ1FのOO(おお)広場横にある日経ノティオ。新聞・雑誌などの紹介コーナーがある情報発信スペースで、各種イベントも開かれています。
写真1 丸の内オアゾ1FのOO(おお)広場横にある日経ノティオ。新聞・雑誌などの紹介コーナーがある情報発信スペースで、各種イベントも開かれています。
深野さんの話は、資産運用の目的を改めて考えるところから始まりました。「資産運用の目的は生活を豊かにすることです」、「豊かさとは、選択肢をどれだけ持っているかということです」と言います。
例えば、ご飯を食べるなら自宅で作るか、外食するか、和食にするか、中華にするか様々な選択肢がありますが、そこでは必ず予算を考えなければなりません。「給料日前なら、人によって財布の中のお金は様々でしょうから、選択肢も限られるでしょう」と、長い目で見れば給与やボーナスにも働いてもらい、豊かさを実感できるよう資産形成して欲しいというのです。
今回のセミナーは「はじめての株取引」ですが、「なぜ預金ではダメなのでしょう?」。年利0.2%の普通預金で資産を2倍にするには、348年掛かります。年利0.35%の定期預金でも200年掛かりますから「金利が変わらない限り、預金では豊かさを実感できません!」。株式投資には学歴も資格も必要ありませんので、「ちょっとした勇気を持って投資をしてはいかがでしょう」とアドバイスしていました。
 

株取引の基本は「投資に絶対はない!」

 
次は株取引の基本の話です。深野さんは「株はカンタンです。安いところで買って、高いところで売れば良いわけですから」と冗談を言いながらも、19年間もFPの仕事をしていても、「どんな銘柄が上がるか分かったら苦労はしない」そうです。「さらに人間には欲がありますから、基本通りに実行することも難しいでしょう」という指摘もありました。
金融市場では、「10年に一度は経験し得ないことが起こることに注意が必要です」。2007年は米国のサブプライム問題で世界同時株安が起こり、1997年にはアジア通貨危機が起こって翌年のロシア危機にまで発展しました。1987年には米国でブラック・マンデーが起きたように、西暦の下一桁に7がつく年はアンラッキーな年なのです。「尻込みしてはいけませんが、投資に絶対はあり得ないことをまず覚えておいて下さい」と強調しました。
図 東証一部上場企業の配当利回りとTOPIXの推移(週足)
図 東証一部上場企業の配当利回りとTOPIXの推移(週足)
TOPIXが下がると配当利回りは上昇し、現在は10年国債利回りを上回っている(債券より、株に投資魅力があることを示す)。
ActiveManagerよりQUICK作成
株式投資の魅力に、配当金が貰えたり、株主総会に出席できることがあります。配当金を株価で割ると「配当利回り」を求めることができますが、深野さんによれば東京証券取引所に上場する全銘柄の配当利回り平均は1.53%だそうです。長期金利は11月末時点で1.5%近辺ですから、株価に割安感があることが分かります【図参照】。
「配当利回りから逆算して、その銘柄に投資すれば何年で元が取れるかという発想も大事です」。ちなみにジョインベスト証券では、配当利回り検索ツールなども充実しているそうです。

 

「買いは指値、売りは成行」、注文を使い分けよう

 
注文方法の違いも知っておきましょう。「指し値注文」とは値段と株数を指定して売買注文を出すことで、「成り行き注文」は株数を指定し、いまの値段で売買するよう注文を出すことです。ここでは、状況によって使い分けた方が良いというアドバイスがありました。
例えばある銘柄に「1000円の指し値注文」を出すと、1000円以下までの買い注文を出したことを意味します。999円で取引が成立すれば、その銘柄を安く買うことができるためお得です。逆に「1000円の指し値売り注文」を出した場合、1000円以上の価格で売ることを意味します。どちらにも共通しているのは、「あまりに現在の価格からかけ離れた値段だと、売買が成立しない恐れがあります」ということです。指し値注文で買う場合、辛抱強く下がるのを待つのが良さそうです。
写真2 講師を務めるフィナンシャルリサーチの深野康彦代表
写真2 講師を務めるフィナンシャルリサーチの深野康彦代表
「相場の格言で『買いは指値、売りは成行』という言葉がありますが、その銘柄の商いの状況、売りか買いかの違いで使い分けた方が良いでしょう」。1000円の価格がついても、同じ価格に注文が多ければ、先着順で決済され、後の人の注文が成立しない時だってありますね。
 

話を聞いているだけではダメ、投資を始めましょう!

 
セミナーでは、株式投資をする上で知っておきたい各種の指標、株主優待を効果的に貰う方法などの説明のほか、一度はデイ・トレーダーを経験してみるのも一興ですといった深野さんの実体験に基づいたアドバイスがあり、参加者も楽しみながら勉強していました。
最後の質疑応答では、(1)他の国の上場企業の株はどうやって買えば良いのですか(2)上場投資信託(ETF)は長期投資に向いているのですか(3)マーケットが荒れていますけど、深野さんはどう思いますか――といった質問が寄せられました【写真3】。深野さんは順に、(1)米国や中国などの株式は国内の証券会社が取り次いでいますので買うことができますが、ベトナム株なら現地の証券会社に行って口座を作るのも手です(2)ETFはその国を代表する指数に投資できます。個別株に比べて値動きも穏やかなため、その国の成長性に投資する意味では初心者向きで良いのではないでしょうか(3)株価は景気に先行して動きますので、今の状況は日本の景気が悪くなると見越して売られているように思えます――と回答しました。米国のサブ・プライム問題は予断を許さないだけに、深野さんも景気・株式市場への影響は慎重に見ているようでした。
写真3 質疑応答の様子
写真3 質疑応答の様子
投資の魅力の1つとして米国の投資格言も教えてくれました。「テン・バガーを生涯に2つ見つけることができれば、あとの投資を補ってくれる」です。テン・バガーとは、株価が10倍に上昇するという意味で、そんな優良株を発掘できれば、良い資産を築けるという言葉です。深野さんは「ある程度勉強したら実際に投資して下さい。私の話を聞いているだけでは儲かりません」(笑)ともおっしゃいます。リスクをきちんと理解したら、あとは行動です。


【執筆:MoneyLife 片平正二】
掲載日:2007年11月30日



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