勉強する・投資する

 

特集・コラム [ 話題の金融商品 ]

【第5回】インタビュー編 −1− ソニー銀行『外貨預金』 営業企画部 國津雅央氏に聞く「円だけで資産を持つこともリスク」

2001年9月の外貨預金取り扱い開始以来、ソニー銀行の外貨預金は原則24時間365日、外国為替市場に連動した為替レートで取引が可能なことに加え、1米ドル当たり25銭という割安な手数料で人気をあつめてきた。外貨預金という商品のメリット・デメリット、そしてソニー銀行が考える外貨預金とはどういうものなのか?
 同社営業企画部の國津雅央氏に聞いてみた。

Q1. 外貨預金、「人気」の理由は?

國津氏:

國津雅央氏
國津雅央氏

円金利が長い間かなり低かったため、外貨預金は金利の高さから注目を集めてきました。日本の国内金利が高ければそれほど外貨に投資するメリットはありませんが、手数料や為替リスクを払ってでも、高い金利というメリットを求めていることが人気の理由ではないでしょうか。当社の預かり資産残高で、外貨預金は金額ベースで2割(口座数ベースでは3割)を占めています【図1参照】。この割合は普通の銀行と比べて高く、お客様の外貨預金に対する満足度を反映していると思います。

傾向としては、国内外の「金利の環境」が大きく影響していると思います。


イメージ画像


Q2. 外貨預金のメリットはなんですか?

國津氏:

国内の株式や預金だけで資産を持つことは、「円だけで資産を運用する」ということです。これはある意味でリスクにつながります。例えば、為替が円安になると、日本の輸入物価は上がります。そのような時に円だけで資産を持っていると、価格転嫁されて円建ての資産は実質的に目減りします。しかし外貨をもっていれば、外貨を売ってその分を為替差益(キャピタルゲイン)として得ることができます。

国内外の通貨に資産を分散することで、より安定した運用ができるというわけです。

Q3. 逆に、デメリットはなんですか?

國津氏:

イメージ画像金利の高さはたいへん魅力的なようで、当社の外貨預金でも米ドルに次いでNZドルが全体の3割を占めています【図2参照】。ただ、金利が高い通貨にはそれに見合ったリスクがあることも忘れてはいけません。円高になれば為替差損が発生しますし、いくら金利が高い通貨でも、1日だけでジェットコースターのように上下に大きく動く通貨では、円高が進んだときに為替で損をするリスクも高くなります。リスクとリターンを総合的に考え、値動きが安定した通貨で運用する方が最終的にはメリットも大きいと思います。


なお外貨預金には、利息に対して源泉分離課税で20%(国税15%+地方税5%)の税金が掛かります。ここは円の預金などと同じです。為替差益は総合課税となりますので、「雑所得」として確定申告する必要があります。

Q4. ソニー銀行ならではの強みとは?

國津氏:

当社は2001年に銀行に参入した資産運用商品・サービスを提供するインターネット銀行です。店舗を持たないインターネット銀行の強みを生かしながら、「個人をマーケットに近づける」というコンセプトをどう商品に落とし込むかを考えてきました。外貨預金については「動かす」ことがポイント。これは短期的な売買を奨めるということではなく、お客様に「投資のチャンスを選択できる状況」を提供することが狙いです。

たとえば、これまでの外貨預金では1日1回の固定したレートでしか取引できませんでした。しかし当社では原則24時間365日、市場の為替レートが10銭(香港ドルを除く)動くごとに、取引できる為替レートを見直しています。この結果、レート提示や決済などのシステム投資の負担も増えるわけですが、リアルタイムのレートに近づけることで、為替手数料を低く抑えて市場に近い取引レートを提供することが可能となっています。また夜間もさることながら、為替市場が開いていない土曜日・日曜日にも、取引の金額制限は設けていますが、金曜日のニューヨーク終値に近い為替レートで取引ができます。

その他、外貨預金を円にかえず外貨のまま海外で使いたいお客様のため、JPモルガン・チェース銀行と共同開発したキャッシュカードで190カ国以上の提携ATMから米ドルを現地通貨で引き出せるサービスも行っています。カードの発行手数料やATM手数料などが掛かりますが、海外旅行などで約15万円以上の外貨を使う予定のある方には、使い勝手の良いサービスではないでしょうか。

Q5. 今後のサービス方針は?

國津氏:

お客様からは中国人民元や南アフリカランドなどの要望もいただくのですが、規制などの関係で難しいところです。いまのところ、取引通貨を8通貨から増やすことは考えていません。

その一方、投資レポートや年2回のセミナーなど、お客様向けの情報提供には力を入れたいと思っています。この11月にも六本木ヒルズで外貨セミナーを開催したばかりで、定員300名のところに850名の応募があり、かなりご好評をいただいております。

また、これまでボーナスシーズンには為替手数料を割引くキャンペーンを行ってきましたが、2006年末の今回からは手数料もさることながら、外貨定期預金金利を優遇する方針としました。外貨預金本来の金利メリットを生かしつつ、長い眼で運用していただければと思います。


インタビューは2006年11月に行ったものです。
聞き手:MoneyLife 片平 正二



 

一言コメント

イメージ画像 日本の外貨預金は、1998年の「外国為替及び外国貿易法(外為法)」改正を前後して伸びはじめ、2005年1月には9兆円の大台にのせました。しかし、為替市場で円安が進み、外貨預金に含み益が出ているにも関わらず、この2006年は7兆円台で伸び悩んでいます。この背景には、「円高の時には押し目買い」「円安にふれたら利食い」を入れるという、個人投資家の逆張り的な投資スタンスが影響しているようです。
外国債券や外貨建て投信の普及もあって、日本でも外貨預金は着実に普及してきましたが、いまのところ、為替差益を見込んだ短期的な運用が好まれているようです。また近年は、基軸通貨である米ドルだけでなく、豪ドルやNZドルなどの高金利通貨に対する人気が根強いため、各社とも商品の多様化を進めています。日銀は2006年7月、ゼロ金利政策を解除しましたが、投資の魅力を感じる水準まで預金金利が上がらない限り、外貨預金は引き続き人気を集めるのではないでしょうか。

この特集のバックナンバー

特集・コラム 記事一覧

 

ページの先頭へ戻る

MoneyLifeインフォメーション