東証ETF活用プロジェクト [ ETFを活用した分散投資・ポートフォリオ投資術 ]

【第4回】

ETFの「価格変動リスク」の正体は?

前回(第3回)のポイントは、(1)投資をする前に、投資対象の「価格変動リスク」(標準偏差)の大きさを把握することが大切なこと。(2)標準偏差の大きさを知っていれば、投資収益率(リターン)のブレ幅(分布の範囲)や年間最大損失率が大体予想できること。(3)個別のETFによって「価格変動リスク」(標準偏差)の水準が大きく異なること。などでした。
今回は、前回のクイズの答え合わせです。
Q1 なぜETFによって「価格変動リスク」(標準偏差)の水準が異なると思いますか?
(1) 上場時期の違い
(2) 運用会社の違い
(3) 投資対象の違い
(4) 信託報酬の違い
答えは、「(3)投資対象の違い」です。選択肢にありませんが、「連動指数の違い」も正解です。
少し詳しく説明しますと、ETFはTOPIXや日経平均など何らかの特定の指数や指標に連動するように運用することが定められているため、ETFはその連動指数に組み入れられている資産クラスや銘柄が投資対象となっています。したがって、連動指数が異なると投資対象である資産クラスや銘柄も異なります。
前回(第3回)、「価格変動リスク」の大きさは資産クラスによって異なることを図表で確認しましたが、ETFの連動指数が異なると投資対象である資産クラスや銘柄も異なるので、「価格変動リスク」の水準も異なるというわけです。
図表1は、ETFの標準偏差(年率:%)を連動指数で並べ替えたものです。
この図表から、同じ連動指数のETFは標準偏差の水準が概ね近いこと、一方、連動指数が異なると、標準偏差の水準も異なることがわかります。
ロシアやブラジルなど新興国株式を連動指数としているETFは、国内株式を連動指数としているETFと比較して、価格変動性(標準偏差)が相対的に高いことがわかります。
また、国内株式の業種セクターを連動指数としているETFの中では、銀行業、不動産、電機などハイ・ベータ・セクターが、電力・ガス、食品などロー・ベータ・セクターと比較して、価格変動性(標準偏差)が相対的に高いことがわかります。
図表1  ETFの標準偏差(年率:%)と連動指数
銘柄
コード
ETF名 計測期間:
22カ月間
(2008.8〜2010.5)
計測期間:
8年間
(2002.6〜2010.5)
計測期間:
12カ月間
(2009.6〜2010.5)
連動指数
1347 上場インデックスファンドFTSE日本グリーンチップ35 28.0 FTSE日本グリーンチップ35
1327 イージーETF S&P GSCI商品指数キャップド・コモディティ 35/20 クラスA米ドル建 26.2 S&P GSCI CC 35/20 TR
1314 上場インデックスファンドS&P日本新興株100 27.9 20.3 S&P日本新興株100
1305 ダイワ上場投信−トピックス 25.9 18.6 20.1 TOPIX
1306 TOPIX連動型上場投資信託 25.9 18.5 20.2 TOPIX
1308 上場インデックスファンドTOPIX 26.0 18.7 20.4 TOPIX
1348 MAXIS トピックス上場投信     20.5 TOPIX
1316 上場インデックスファンドTOPIX100日本大型株 26.6 21.9 TOPIX 100
1317 上場インデックスファンドTOPIX Mid400日本中型株 25.8 22.2 TOPIX Mid400
1318 上場インデックスファンドTOPIX Small日本小型株 27.9 26.8 TOPIX Small
1344 MAXIS トピックス・コア30上場投信     20.7 TOPIX コア30
1311 TOPIX Core 30 連動型上場投資信託 26.7 20.0 21.2 TOPIX コア30
1310 ダイワ上場投信−トピックス・コア30 27.3 20.2 22.2 TOPIX コア30
1618 NEXT FUNDS エネルギー資源(TOPIX−17)上場投信 37.6   24.6 TOPIX-17 エネルギー資源
1635 ダイワ上場投信・TOPIX−17 エネルギー資源 37.3   26.2 TOPIX-17 エネルギー資源
1621 NEXT FUNDS 医薬品(TOPIX−17)上場投信 19.2   13.6 TOPIX-17 医薬品
1638 ダイワ上場投信・TOPIX−17 医薬品 19.0   14.5 TOPIX-17 医薬品
1628 NEXT FUNDS 運輸・物流(TOPIX−17)上場投信 17.0   16.0 TOPIX-17 運輸・物流
1645 ダイワ上場投信・TOPIX−17 運輸・物流 18.8   18.3 TOPIX-17 運輸・物流
1624 NEXT FUNDS 機械(TOPIX−17)上場投信 34.6   27.4 TOPIX-17 機械
1641 ダイワ上場投信・TOPIX−17 機械 35.7   28.8 TOPIX-17 機械
1632 NEXT FUNDS 金融(除く銀行)(TOPIX−17)上場投信 36.7   26.5 TOPIX-17 金融(除く銀行)
1649 ダイワ上場投信・TOPIX−17 金融(除く銀行) 40.7   32.4 TOPIX-17 金融(除く銀行)
1631 NEXT FUNDS 銀行(TOPIX−17)上場投信 31.3   24.4 TOPIX-17 銀行
1648 ダイワ上場投信・TOPIX−17 銀行 33.5   26.9 TOPIX-17 銀行
1636 ダイワ上場投信・TOPIX−17 建設・資材 28.1   21.6 TOPIX-17 建設・資材
1619 NEXT FUNDS 建設・資材(TOPIX−17)上場投信 29.3   26.2 TOPIX-17 建設・資材
1622 NEXT FUNDS 自動車・輸送機(TOPIX−17)上場投信 34.7   29.5 TOPIX-17 自動車・輸送機
1639 ダイワ上場投信・TOPIX−17 自動車・輸送機 35.2   32.1 TOPIX-17 自動車・輸送機
1629 NEXT FUNDS 商社・卸売(TOPIX−17)上場投信 33.7   22.6 TOPIX-17 商社・卸売
1646 ダイワ上場投信・TOPIX−17 商社・卸売 36.7   29.5 TOPIX-17 商社・卸売
1630 NEXT FUNDS 小売(TOPIX−17)上場投信 22.1   17.2 TOPIX-17 小売
1647 ダイワ上場投信・TOPIX−17 小売 23.9   20.1 TOPIX-17 小売
1626 NEXT FUNDS 情報通信・サービスその他(TOPIX-17)上場投信 21.3   17.2 TOPIX-17 情報通信・サービス他
1643 ダイワ上場投信・TOPIX−17 情報通信・サービスその他 23.9   17.4 TOPIX-17 情報通信・サービス他
1634 ダイワ上場投信・TOPIX−17 食品 21.0   15.1 TOPIX-17 食品
1617 NEXT FUNDS 食品(TOPIX−17)上場投信 21.3   17.7 TOPIX-17 食品
1637 ダイワ上場投信・TOPIX−17 素材・化学 24.7   20.0 TOPIX-17 素材・科学
1620 NEXT FUNDS 素材・化学(TOPIX−17)上場投信 26.6   24.2 TOPIX-17 素材・科学
1623 NEXT FUNDS 鉄鋼・非鉄(TOPIX−17)上場投信 39.8   28.8 TOPIX-17 鉄鋼・非鉄
1640 ダイワ上場投信・TOPIX−17 鉄鋼・非鉄 42.2   37.2 TOPIX-17 鉄鋼・非鉄
1625 NEXT FUNDS 電機・精密(TOPIX−17)上場投信 35.6   30.6 TOPIX-17 電機・精密
1642 ダイワ上場投信・TOPIX−17 電機・精密 36.0   30.6 TOPIX-17 電機・精密
1644 ダイワ上場投信・TOPIX−17 電力・ガス 13.9   9.3 TOPIX-17 電力・ガス
1627 NEXT FUNDS 電力・ガス(TOPIX−17)上場投信 14.4   10.2 TOPIX-17 電力・ガス
1633 NEXT FUNDS 不動産(TOPIX−17)上場投信 41.2   32.1 TOPIX-17 不動産
1650 ダイワ上場投信・TOPIX−17 不動産 43.6   39.0 TOPIX-17 不動産
1325 NEXT FUNDS ブラジル株式指数・ボベスパ連動型上場投信 47.1 31.2 ブラジル・ボベスパ
1312 ラッセル野村小型コア・インデックス連動型上場投資信託 24.8 22.2 ラッセル野村小型コア
1324 NEXT FUNDS ロシア株式指数・RTS連動型上場投信 59.5 30.9 ロシア・RTS
1328 金価格連動型上場投資信託 23.6   10.6 ロンドン・金相場
1326 SPDRゴールド・シェア 24.7   12.2 ロンドン・金相場
1313 サムスンKODEX200証券上場指数投資信託[株式] 46.4 27.5 韓国・KOSPI200
1309 上海株式指数・上証50連動型上場投資信託 41.5 37.1 上証50指数
1322 上場インデックスファンド中国A株(パンダ)CSI300 37.6 26.5 中国A株・CSI300指数
1615 東証銀行業株価指数連動型上場投資信託 31.8 29.1 22.2 東証 銀行業
1612 ダイワ上場投信−東証銀行業株価指数 33.0 29.1 23.8 東証 銀行業
1610 ダイワ上場投信−東証電気機器株価指数 34.7 23.6 30.1 東証 電機機器
1613 東証電気機器株価指数連動型上場投資信託 36.1 24.2 31.7 東証 電機機器
1345 上場インデックスファンドJリート(東証REIT指数)隔月分配型     22.1 東証REIT
1343 NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信     22.7 東証REIT
1323 NEXT FUNDS 南アフリカ株式指数・FTSE/JSE Africa Top40連動型上場投信 39.7 22.3 南ア・FTSE・TOP40
1319 日経300株価指数連動型上場投資信託 21.1 17.9 14.9 日経300
1320 ダイワ上場投信−日経225 30.3 20.6 23.2 日経平均
1321 日経225連動型上場投資信託 30.5 20.7 23.7 日経平均
1330 上場インデックスファンド225 31.3 21.0 23.7 日経平均
1329 iシェアーズ日経225 29.1 24.3 24.5 日経平均
1346 MAXIS 日経225上場投信     26.3 日経平均
(注)2010年5月末時点で上場後1年を経過していないETFは各図表に含まれていません。
図表2は、ETFの標準偏差(年率:%)を上場日で並べ替えたものです。
残念ながら、ここからは、上場日と標準偏差(年率:%)の関係性がわかりません。
図表2  ETFの標準偏差(年率:%)と上場日
銘柄
コード
ETF名 標準偏差(年率:%)
計測期間:22カ月間 (2008.8〜2010.5)
標準偏差(年率:%)
計測期間:8年間 (2002.6〜2010.5)
標準偏差(年率:%)
計測期間:12カ月間 (2009.6〜2010.5)
上場日
1319 日経300株価指数連動型上場投資信託 21.1 17.9 14.9 1995/4/12
1320 ダイワ上場投信−日経225 30.3 20.6 23.2 2001/7/9
1321 日経225連動型上場投資信託 30.5 20.7 23.7 2001/7/9
1330 上場インデックスファンド225 31.3 21.0 23.7 2001/7/9
1305 ダイワ上場投信−トピックス 25.9 18.6 20.1 2001/7/11
1306 TOPIX連動型上場投資信託 25.9 18.5 20.2 2001/7/11
1329 iシェアーズ日経225 29.1 24.3 24.5 2001/9/4
1308 上場インデックスファンドTOPIX 26.0 18.7 20.4 2001/12/20
1310 ダイワ上場投信−トピックス・コア30 27.3 20.2 22.2 2002/3/28
1610 ダイワ上場投信−東証電気機器株価指数 34.7 23.6 30.1 2002/3/28
1612 ダイワ上場投信−東証銀行業株価指数 33.0 29.1 23.8 2002/3/28
1311 TOPIX Core 30 連動型上場投資信託 26.7 20.0 21.2 2002/4/2
1613 東証電気機器株価指数連動型上場投資信託 36.1 24.2 31.7 2002/4/2
1615 東証銀行業株価指数連動型上場投資信託 31.8 29.1 22.2 2002/4/2
1328 金価格連動型上場投資信託 23.6 10.6 2007/8/2
1309 上海株式指数・上証50連動型上場投資信託 41.5   37.1 2007/10/22
1312 ラッセル野村小型コア・インデックス連動型上場投資信託 24.8 22.2 2007/10/22
1313 サムスンKODEX200証券上場指数投資信託[株式] 46.4   27.5 2007/11/19
1314 上場インデックスファンドS&P日本新興株100 27.9 20.3 2008/3/10
1316 上場インデックスファンドTOPIX100日本大型株 26.6   21.9 2008/3/21
1317 上場インデックスファンドTOPIX Mid400日本中型株 25.8 22.2 2008/3/21
1318 上場インデックスファンドTOPIX Small日本小型株 27.9   26.8 2008/3/21
1617 NEXT FUNDS 食品(TOPIX−17)上場投信 21.3 17.7 2008/3/21
1618 NEXT FUNDS エネルギー資源(TOPIX−17)上場投信 37.6   24.6 2008/3/21
1619 NEXT FUNDS 建設・資材(TOPIX−17)上場投信 29.3 26.2 2008/3/21
1620 NEXT FUNDS 素材・化学(TOPIX−17)上場投信 26.6   24.2 2008/3/21
1621 NEXT FUNDS 医薬品(TOPIX−17)上場投信 19.2 13.6 2008/3/21
1622 NEXT FUNDS 自動車・輸送機(TOPIX−17)上場投信 34.7   29.5 2008/3/21
1623 NEXT FUNDS 鉄鋼・非鉄(TOPIX−17)上場投信 39.8 28.8 2008/3/21
1624 NEXT FUNDS 機械(TOPIX−17)上場投信 34.6   27.4 2008/3/21
1625 NEXT FUNDS 電機・精密(TOPIX−17)上場投信 35.6 30.6 2008/3/21
1626 NEXT FUNDS 情報通信・サービスその他(TOPIX-17)上場投信 21.3   17.2 2008/3/21
1627 NEXT FUNDS 電力・ガス(TOPIX−17)上場投信 14.4 10.2 2008/3/21
1628 NEXT FUNDS 運輸・物流(TOPIX−17)上場投信 17.0   16.0 2008/3/21
1629 NEXT FUNDS 商社・卸売(TOPIX−17)上場投信 33.7 22.6 2008/3/21
1630 NEXT FUNDS 小売(TOPIX−17)上場投信 22.1   17.2 2008/3/21
1631 NEXT FUNDS 銀行(TOPIX−17)上場投信 31.3 24.4 2008/3/21
1632 NEXT FUNDS 金融(除く銀行)(TOPIX−17)上場投信 36.7   26.5 2008/3/21
1633 NEXT FUNDS 不動産(TOPIX−17)上場投信 41.2 32.1 2008/3/21
1322 上場インデックスファンド中国A株(パンダ)CSI300 37.6   26.5 2008/4/7
1326 SPDRゴールド・シェア 24.7 12.2 2008/6/30
1325 NEXT FUNDS ブラジル株式指数・ボベスパ連動型上場投信 47.1   31.2 2008/7/16
1634 ダイワ上場投信・TOPIX−17 食品 21.0 15.1 2008/7/22
1635 ダイワ上場投信・TOPIX−17 エネルギー資源 37.3   26.2 2008/7/22
1636 ダイワ上場投信・TOPIX−17 建設・資材 28.1 21.6 2008/7/22
1637 ダイワ上場投信・TOPIX−17 素材・化学 24.7   20.0 2008/7/22
1638 ダイワ上場投信・TOPIX−17 医薬品 19.0 14.5 2008/7/22
1639 ダイワ上場投信・TOPIX−17 自動車・輸送機 35.2   32.1 2008/7/22
1640 ダイワ上場投信・TOPIX−17 鉄鋼・非鉄 42.2 37.2 2008/7/22
1641 ダイワ上場投信・TOPIX−17 機械 35.7   28.8 2008/7/22
1642 ダイワ上場投信・TOPIX−17 電機・精密 36.0 30.6 2008/7/22
1643 ダイワ上場投信・TOPIX−17 情報通信・サービスその他 23.9   17.4 2008/7/22
1644 ダイワ上場投信・TOPIX−17 電力・ガス 13.9 9.3 2008/7/22
1645 ダイワ上場投信・TOPIX−17 運輸・物流 18.8   18.3 2008/7/22
1646 ダイワ上場投信・TOPIX−17 商社・卸売 36.7 29.5 2008/7/22
1647 ダイワ上場投信・TOPIX−17 小売 23.9   20.1 2008/7/22
1648 ダイワ上場投信・TOPIX−17 銀行 33.5 26.9 2008/7/22
1649 ダイワ上場投信・TOPIX−17 金融(除く銀行) 40.7   32.4 2008/7/22
1650 ダイワ上場投信・TOPIX−17 不動産 43.6 39.0 2008/7/22
1323 NEXT FUNDS 南アフリカ株式指数・FTSE/JSE Africa Top40連動型上場投信 39.7   22.3 2008/7/25
1324 NEXT FUNDS ロシア株式指数・RTS連動型上場投信 59.5 30.9 2008/7/25
1343 NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信     22.7 2008/9/17
1344 MAXIS トピックス・コア30上場投信 20.7 2008/9/19
1345 上場インデックスファンドJリート(東証REIT指数)隔月分配型     22.1 2008/10/20
1327 イージーETF S&P GSCI商品指数キャップド・コモディティ 35/20 クラスA米ドル建 26.2 2008/10/22
1346 MAXIS 日経225上場投信     26.3 2009/2/24
1347 上場インデックスファンドFTSE日本グリーンチップ35 28.0 2009/4/27
1348 MAXIS トピックス上場投信     20.5 2009/5/14
(注)2010年5月末時点で上場後1年を経過していないETFは各図表に含まれていません。
そこで、図表3では、横軸に上場日、縦軸に標準偏差(計測期間12カ月:(2009.6〜2010.5))をプロットしてみました。
こうして見ると、ETFの上場日の違いが、標準偏差の水準の違いに影響を及ぼしているわけではないことがわかります。
ただし、これら図表から、2001年〜2002年に上場したETFは、国内株式を組み入れ構成銘柄にしているため、標準偏差(価格変動性)が20%〜30%の範囲に収まっていましたが、近年上場しているETFは、国内株式以外に外国株式やゴールド(金)、コモディティ(商品)など様々な資産クラスを組み入れ対象としているため、標準偏差(価格変動性)が10%〜40%と以前より広い範囲に分布していることがわかります。
ETFの選択肢が広がったことは投資家にとってありがたいことですが、自分の許容できるリスク水準を見極めて、必要以上にリスクをとらないように心がけましょう。
図表3  ETFの上場日と標準偏差(価格変動性)(年率:%)
図表3  ETFの上場日と標準偏差(価格変動性)(年率:%)
(注)2010年5月末時点で上場後1年を経過していないETFは各図表に含まれていません。

次に、図表4で運用会社とETFの標準偏差(年率:%)の関係を見てみましょう。
この図表から、運用会社は様々なリスク水準のETFを提供しており、ETFの運用会社の違いが、標準偏差の水準の違いに影響を及ぼしているわけではないことがわかります。
図表4 運用会社別のETFの標準偏差(価格変動性)(年率:%)
図表4  運用会社別のETFの標準偏差(価格変動性)(年率:%)
(注)2010年5月末時点で上場後1年を経過していないETFは各図表に含まれていません。

最後に、運用会社の運用報酬に相当する信託報酬とETFの標準偏差(年率:%)の関係を見てみましょう。図表5では、横軸に信託報酬、縦軸に標準偏差(計測期間12カ月:(2009.6〜2010.5))をプロットしてみました。
この図表から、ETFの信託報酬の水準は、概ね1%未満で、その大半が0.1%〜0.5%程度の範囲に収まっていることがわかります。しかし、ETFの信託報酬の水準と標準偏差の水準に関係性がないことがあらためてわかりました。
図表5 ETFの信託報酬と標準偏差(価格変動性)(年率:%)
図表5  ETFの信託報酬と標準偏差(価格変動性)(年率:%)
(注)2010年5月末時点で上場後1年を経過していないETFは各図表に含まれていません。

今回のまとめ
 「敵を知り己を知れば百戦危うからず」ということわざがあります。資産運用においても当てはまり、投資をする前に「価格変動リスク」(標準偏差)の大きさを把握することが非常に重要です。ETFの場合は、連動指標や連動指数を運用会社のホームページや運用報告書などで事前に確認し、その「価格変動リスク」(標準偏差)の水準を把握することを心がけましょう。
 その上で、自分はどの程度の損失に耐えられるかを再認識しておけば、将来の価格変動に対して心の準備も整い、安心して投資資金を働かせることができることでしょう。

執筆:イボットソン・アソシエイツ・ジャパン マネジング パートナーCIO/小松原宰明
掲載日:2010年月07月29日
小松原 宰明氏小松原 宰明氏プロフィール
イボットソン・アソシエイツ・ジャパン株式会社 マネジング パートナーCIO
(社)日本証券アナリスト協会検定会員
http://www.matonavi.jp/
1987年慶應義塾大学理工学部卒業、日本長期信用銀行入行。長銀投資顧問システム運用部ファンドマネジャー、UBSアセットマネジメント国内株式ポートフォリオ・マネジャーを経て、2000年11月イボットソン・アソシエイツ・ジャパンを共同設立。著書に『リスク・リターンの経営手法』(共著、中央経済社)、『ポリシー・アセットアロケーションの重要性』証券アナリストジャーナル2008年9月号(第20回証券アナリストジャーナル賞受賞)、『債券の期待リターンの推計−実証分析と将来シミュレーション−』(日本ファイナンス学会第12回大会予稿集)、『ポートフォリオ・マネジメント・プロセス』(共著、証券アナリスト第1次レベル通信教育講座テキスト)などがある。

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