投資信託 [ 注目のランキング ]

ソーシャルブックマークに登録:

投信協会の新商品分類でみる運用の好不調――2月末時点

投資信託協会が定める投信(ファンド)の分類が「商品分類」として刷新された。投信が組み入れる金融商品の種別や地域など、実際の投資対象を具体的に把握しやすくなっている。

これまでの投信分類体系では、REIT(不動産投信)や商品(コモディティ―)など新たに登場してきた金融商品を投資対象としていても、運用内容の実体を理解するのが難しい面があった。新商品分類によりこの点が改善され、投資家の理解が進むことが期待できる。

例えば、「グロソブ」に代表される毎月分配型の外債投信は、株式には一切投資していないにもかかわらず、これまでは分類体系上「株式の組み入れ比率が7割未満」の「バランス型」に該当し、株式と債券に分散投資する本来の意味合いの「バランス型」の中に混在していた。「グロソブ」の場合、新商品分類は次のように指定されている。実質的な投資対象は「債券」、投資地域は日本を含む「内外」、直接投資する対象と地域などをより詳細に示す属性区分として指定される投資対象は「投資信託証券(=マザーファンド)を通じた公債・高格付債」、投資対象地域は「グローバル(日本含む)」、為替ヘッジは「あり(適時ヘッジ)」というように、運用実体がより明確にわかる。

 

ほかにも「ファンド・オブ・ファンズ(FOF)」は、基本的に他社が運用する投信を組み入れる投信という運用形態を示す区分であり、この分類の中には日本株のみに投資、株式と債券に分散投資、新興国の株式、REITを組み入れた投信など、様々な投資対象が混在していた。新商品分類ではFOFは投資対象を示す区分としてではなく、基本的に属性区分の一項目として扱われる。

なお、株式に投資しない「グロソブ」であっても、新商品分類では依然として追加型「株式投信」に区分される。この「株式投信」の区分は「公社債投信」とは異なり、元本割れしても追加募集が可能な投信を意味し、税制上の扱いが「公社債投信」とは異なるという「税制上の区分」であって、投資対象が株式であるかどうかには関係しないことには注意が必要だ。

新商品分類を活用することで、投信の値動きが投資対象や地域によりどのように違うか、投信マーケット全体を俯瞰しやすくなった。ただ商品分類は詳細多岐にわたり、すべてを異なるものとして扱うとその組み合わせパターンはざっと数百を超えるため、一定の基準で集約した分類別に運用成績を平均化し、全体の動きを捉えてみることを試みた。

表は、新商品分類ごとに年初来2ヵ月間の騰落率を平均したランキング()を示す。2740本に及ぶ全体では平均5.8%の下落。08年の平均35.8%下落に続く厳しい運用結果となった。「国内株式」も12%下落(122位)とふるわない。14%上昇し好調だったのは、高利回りが期待できる半面、信用リスクの高い米国企業向け貸付債権(バンクローン)に投資するファンド。現在は「みずほBNY米国バンクローンファンド」1本のみが該当する。年初からの円安・米ドル高も寄与した。他にも、米国の低格付け債券(ハイイールド債)やブラジルの債券・株式に投資するファンドが上位に入り、「海外」および「高利回り」が好調組の共通点となった。

一方、下落率が大きいのは海外や内外のREITで運用するファンド。平均2割前後下落した。景気後退で経済活動が沈滞ムードに陥った時期のREIT投資は、大きな下落リスクを伴うことを示している。

年初来騰落率を個別ファンドでみると、上昇率と下落率の首位グループには、日経平均の日々の動きの2倍や2.5倍変動する「ブル・ベア型」ファンドが並び、「ベア型」ファンドは3割近く上昇、「ブル型」ファンドは3割前後下落した。

ほかに堅調だったのは、中国本土A株の株価指数(円換算)に連動するETFの「パンダ、証券コード:1322」や「上証50連動ETF、証券コード:1309」で、上昇率は2割を超した。金価格に連動するETF「金価格連動型投信、証券コード:1328」も約16%上昇と好調だった。一方、同じETFでも国内の業種別不動株指数に連動するETFの年初来下落率は3割に達した。

(注)QBR調べ。データは2009年2月末時点。集計方法の詳細は「分類集約基準など」を参照。はマイナスで下落。

 

投信協会の新商品分類でみる運用の好不調(中)(2009年2月末時点)

投信協会の新商品分類でみる運用の好不調(下)(2009年2月末時点)


執筆:QBR 高瀬浩(掲載日:2009年03月06日)

この特集のバックナンバー

投資信託 記事一覧

 

ページの先頭へ戻る

MoneyLifeインフォメーション