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大型ファンドの2月の運用成績――円安で外債型堅調、REITや日本株ファンドは下落
純資産残高上位100本の大型ファンド(残高:583億円〜4兆4913億円)について、2009年2月の運用成績をランキングしてみると、外債で運用するファンドが上位にずらりと並び、REIT(不動産投資信託)や日本株で運用するファンドの下落が目立つ結果となった。 2月の月間上昇率が9.8%で上昇率首位に立ったのは、米国モーゲージ担保証券の一種で高格付けのジニーメイ・パス・スルー証券に投資する「フランクリン・テンプルトン 米国政府証券ファンド(愛称:メイフラワー号)」(運用はフランクリン・テンプルトン・インベストメンツ)。2位は残存期間が短い豪ドル建て債券で運用する「短期豪ドル債オープン(毎月分配型)」(運用は大和住銀投信投資顧問)で、上昇率は9.2%だった。 2月の円相場はそれまでの円高基調から円独歩安に大きく反転した。対米ドルは1米ドル=89円台から97円台に一気に円安・ドル高が進み、対ユーロでは1ユーロ=115円台から124円台へ、対豪ドルは1豪ドル=57円台から63円台への円安というように、主要3通貨に対する円相場は1ヵ月で7.5%〜9.2%の大幅な円安に振れた。 こうした円安の追い風を受け、外債ファンドの基準価額は軒並み反発。大型ファンド100本中37本で月間上昇率が運用開始以降の最大を記録し(設定時期の違いにより月間上昇率の最大値や時期はファンドごとに異なる)、37本すべてが外債ファンドだった。 一方、円安にも関わらず下落率が目立ったのはREITファンド。日米のREITに投資する「ノムラ日米REITファンド(毎月分配型)」(運用は野村アセットマネジメント)の下落率は13.9%に達し、世界のREITを組み入れている「DIAMワールド・リート・インカム・オープン(毎月決算コース)(愛称:世界家主倶楽部)」(運用はDIAMアセットマネジメント)は7.7%下落した。日経平均に連動するインデックスファンドをはじめ、日本株ファンドも冴えなかった。 外債ファンドの運用成績は2月に大きく回復したものの、昨年夏(8月末)と比較すると大半が10%以上下落している。大型ファンドすべてで6ヵ月騰落率はマイナスとなり、平均下落率は約31%(運用期間が6ヵ月以上の99本を集計)だった。 この結果、3年間や5年間、積み立て投資(ドルコスト平均法)を継続したとしても、1月までの急落により基準価額が平均購入単価を割り込み、ほとんどが積立て投資でも含み損を抱えた状態にある。例えば、国際投信投資顧問が運用する「グローバル・ソブリン・オープン(毎月分配型)」(2月の月間騰落率は6.9%で35位)の積み立てを5年前から継続してきたと仮定した場合、積み立て収益率はマイナス5%だった。これは、2月末の基準価額が平均購入単価を5%下回っていることを示す。一方、「グロソブ」を5年前に一括投資した場合の収益率はプラス5.2%、積み立て投資の収益率は一括投資をも下回る結果となった。積み立て収益が含み益に変わるには、平均購入単価を上抜くまで基準価額が回復するのを待つ必要がある(基準価額は分配金込みで、収益率は毎月の分配金を一切出さずに運用が続いたと仮定して計算)。 1月までは株安と円高が同時進行し、株式組み入れファンドと外債ファンドの値動きの相関(連動性)が高まり分散効果が低下してきた。2月に入り、株安、REIT安となった一方で、円相場が円高から円安に反転したことを受け、外債ファンドと株式組み入れファンドが異なる方向へ動き、相関(連動性)が低下。分散効果がやや回復した点も、足元の特色に挙げられる。 最近の金融市場におけるもう一つの注目すべき点として、ボラティリティーと呼ぶ市場価格の変動率のブレ幅を示す価格変動リスクを測ると、円相場、株式市場、REIT市場のいずれのボラティリティーも、リーマンショック後(昨年秋の10−11月)の異常に高くなった頃に比べ沈静化し、それぞれの平均的な水準まで低下しつつある(グラフ−1)。 REITのボラティリティーの水準はまだ日経平均よりも高く、本来のミドルリスクの商品性を取り戻したとは言えないが、米ドル・円相場、日経平均のボラティリティーは過去3年間の平均的水準まで低下してきた。ボラティリティーが低下したといっても、そのこと自体からは今後、株式などの各金融資産が上下どちらに動くかはわからないし、こう着しながらボックス圏内を上下する可能性もあるが、昨年秋以降の激しい動きは峠を越し一服してきたように読み取れる。
執筆:QBR 高瀬浩(掲載日:2009年03月10日)
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