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インデックスファンド騰落率ランキング、信託報酬との関連性を検証、09年11月末時点

――日経平均連動型およびTOPIX連動型のインデックスファンドの騰落率には信託報酬の大小が直結。日本株アクティブファンド全体では信託報酬の大小と運用成績の良し悪しの関連性を一般化するのには無理がある。

インデックスファンド騰落率ランキング(過去3年・5年・10年)――信託報酬順位との関連性、09年11月末時点

運用コスト(信託報酬)がアクティブ運用型のファンドに比べ安めの、インデックスファンドへの関心が高まっている。実際に信託報酬はインデックスファンドの運用成績にどのように影響しているのだろうか。騰落率ランキングを基に、お互いの関連性を検証してみた。

ランキングの対象は日経平均連動型とTOPIX連動型のインデックスファンド。ETFや確定拠出年金(DC)専用ファンドも含む。ランキングの期間は2009年11月末までの3年、5年、10年とした。この期間はいずれも日本株相場が下落。インデックスファンドの運用成績もすべてマイナスとなった。

日経平均とTOPIXは構成銘柄の配当金を含まずに計算する株価指数だ。一方、インデックスファンドの基準価額には組み入れ銘柄の配当金が上乗せとなる。そのため、インデックスファンドが指数と完全に同じ銘柄を同じ比率で組み入れ、仮に連動性100%を維持したとすると、インデックスファンドの年間騰落率は理論上、配当金の利回りから運用経費(信託報酬)を差し引いた分だけ指数の年間騰落率を上回る。実際に、ランキング表からは、すべてのインデックスファンドの騰落率が日経平均またはTOPIXの騰落率を上回ったことが確認できる。

同時に、インデックスファンドの騰落率には大小数%の差が付き、バラツキがあることも分かる。ランキング表に載せた信託報酬およびその順位(信託報酬が小さいほど順位値が小)と照らし合わせると、信託報酬と騰落率の順位は完全に一致しないものの、信託報酬が大きいほど(信託報酬順位が大きいほど)、騰落率順位も大きくなる(順位が下がる)傾向にある。

グラフにするとこの関係がより明確になる。信託報酬の大小と騰落率の大小に密接な関連性があると、信託報酬の順位と騰落率の順位を示す点は正比例関係を示す直線上に乗るか、直線の近く(近傍)に集まるはず。グラフではすべての点が一直線上に乗ってはいないものの、日経平均型、TOPIX連動型ともに、計測期間によらず直線の近くに集まり、信託報酬の大小と騰落率の大小の間の関連性が高いことが分かる。

 
 

ところが、対象を日本株ファンド全体に広げ、一般的なアクティブ運用ファンド、中小型株ファンドやインデックスファンドを含む日本株ファンド全体で、同じグラフを作成してみると、グラフの信託報酬の順位と騰落率の順位を示す点はちりぢりばらばらに点在し、直線の近くに集まっているとは言い難い。これは、アクティブファンドの運用成績の良し悪しは、市場動向や組み入れ銘柄および配分比率など、信託報酬以外の要因に大きく左右されることを示している。

アクティブファンドでは信託報酬が低い(高い)ファンドの方が好成績を収め、信託報酬が高い(低い)ファンドは運用成績が劣るというように、信託報酬の大小と運用成績の関連性を一般化するのは難しい。これに対し、インデックスファンドは指数との連動性を維持する以上、運用成績の差の大部分を信託報酬の大小で説明できる。信託報酬が運用コストとして投資家収益をその分押し下げるという前提条件はくつがえらないものの、アクティブファンドの運用成績がインデックスファンドを上回るかどうかは、信託報酬の大小よりも運用力が決め手になり、信託報酬が期待する運用力に見合うかどうかが投資判断材料の一つになる。


執筆:QBR 高瀬浩(掲載日:2009年12月22日)

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