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ETFの市場取引価格(終値)でみた年初来騰落率――上海・ブラジル・金堅調、3月19日時点国内上場のETF(Exchange Traded Funds、上場投資信託)全69本について、3月19日の市場取引価格を昨年末と比べた年初来騰落率をランキングした。対象となるのは今年に入り新規上場した1本を除く68本。昨年末の12月30日と3月19日に、市場での取引が成立しなかったETFの騰落率は計算していない。あわせてETFの基準価額の騰落率および市場価格の騰落率との乖離幅も計算した。外国運用会社が運用を海外で行っている海外籍ETF3本については、基準価額の騰落率は未計算となっている。比較期間中に分配金を出したETFの騰落率は、ETFでは分配金の自動再投資が現状できないこともあり、一般的な投信のように分配金を再投資した騰落率を求めるのではなく、税引き前分配金を単純に分子(収益)に足し込む方式で計算した。ETFの市場価格と基準価額、指数値との関係については、「投信フォーカス ETFに関わる3つの値段、市場価格は指数値には一致せず」を参照。 年初来騰落率ランキングをみると、対象ETF68本中、39本で取引が成立し、この中では「パンダ(証券コード:1322)」が首位となり上昇率は3割を超した。中国本土A株の株価指数「CSI300(円換算値)」への連動を目指す。中国人民元に対し年初から6%強の円安が進んだことも上昇に寄与した。2位も中国本土A株の株価指数「上海50(円換算値)」の変動を連動目標とする「上証50連動(証券コード:1309)」で、こちらは25%上昇。同じ中国本土A株に投資するETFでも上昇率に差がつき、昨年9月末からの6ヵ月騰落率ではさらに差が広がった。この背景には、「CSI300」株価指数の構成銘柄の約3分の1(比重では約4分の1)を深センA株が占め、この間、深センA株相場が上海A株相場を上回って推移したことが関係しているとみられる。 ブラジル通貨レアル・円相場の変動に連動する「伯レアル(証券コード:1341)」も堅調となり、分配金込み基準価額は年初から17.8%上昇。年初からの円安・レアル高に加え、ブラジルと日本との間の短期金利差相当の収益が上乗せになったとみられ、2月の決算では昨年末基準価額に対して2.4%あまりの金額の分配金を出している。この他、ブラジル株ETF「ボベスパ(証券コード:1325)」、金価格連動の「SPDRゴールド(証券コード:1326)」やインド通貨ルピー連動の「印ルピー(証券コード:1340)」などが上昇。一方、日本株相場は最近の連騰で大幅に持ち直したものの、年初来では、日本株やREIT型は「TOPIX−17(自動車・輸送機)」に連動する「自動車(証券コード:1622)」の9.2%上昇をはじめとする4本が値上がりした以外、大半が下落している。 基準価額の騰落率との乖離幅をみると、海外株指数での乖離が目立つ。16位のロシア株ETF「RTS連動(証券コード:1324)」では乖離幅が約13%。元々、海外資産で運用するETFの場合、日本の取引時間と海外市場との時差の関係で基準価額と市場価格は乖離するが、新興国株ETFの市場価格は値動きが荒っぽくなりやすいことを示している。 年初来の売買代金が1千億円を超した日経平均連動型の24位「上場225(証券コード:1330)」の年初来乖離幅は0%と乖離無しで、25位「225投信(証券コード:1321)」の乖離幅は0.2%、TOPIX連動型の32位「TOPIX投信(証券コード:1306)」は0.7%と、全般に流動性の高いETFでは市場価格と基準価額の乖離が小幅となる傾向がみられる。流動性の低いETFは取引時間の終了時点で取引が成立しないことも多いため、終値ベースで計算する基準価額との乖離が目立つケースもある。
執筆:QBR 高瀬浩(掲載日:2009年03月23日)
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