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【第102回】

投信ニューフェース

対話する30年の長期投資ファンドとは−コモンズ投信伊井社長が語る

コモンズ投信は30年の長期投資と対話をウリにした新規の独立系運用会社。対話では投資先企業と受益者との対談を企画するなど、ファンドを利用して直接金融の醍醐味を受 益者に提供する。同社の伊井哲朗社長に話を聞いた。

投信業界に参入したきっかけは。

伊井氏:

生活者(個人投資家)のニーズが多様化しているからだ。以前、投資セミナーの手伝いをしていた際、低コストで自分の理念に合った長期投資ファンドを求める人が増えてきたと実感した。

また、企業経営者が中・長期的な視点で経営を考えるのに対して、日本株市場に入ってくる資金は比較的短期のため、時間軸が異なることも参入のポイントだった。長期投資のファンドを介して企業には長期資金、個人には複利効果を提供する。


既に競合が多い運用業界でどのようにコモンズ投信のカラーを出していくのか。

伊井氏:

30年目線の長期投資と対話をキーワードに特性を出す。対話は当ファンドと受益者および投資先企業に限らず、企業と受益者が対話することも考えている。例えば、受益者の声をまとめて投資先企業に手渡したり、受益者と経営トップとの対談や工場見学なども実現したい。個人の株主が企業に対して単独で意見を言うことは難しいが、ファンドを通じてなら相応の影響も見込めそうだ。

こうした対話は株主の本質的な意義である企業価値創造につながると考えており、結果的に投資家教育にもつながると期待している。月額3000円からの積立プランもあるので、まずは当ファンドを実体験して欲しい。

30年先を見据えた銘柄選別の方法とは。

伊井氏:

財務データだけでなく、企業の見えない資産の評価にも力を入れる。例えば、経営力や人的資産のほか、企業文化、取引先の状況などを投資判断の切り口とする。これは就職先を選ぶ感覚と似ており、終身雇用が当然だった時代には誰でも同様の方法で企業を見極めていたと思う。現在、アナリストのリサーチは財務の“ブレ”を見ることが主になっているようだが、本来は目に見えないモノを評価することにリサーチの意義があるのではないだろうか。

銘柄選別の方法は大きなテーマを基にそこから約100銘柄を選別し、その後30銘柄程度に絞り込んで集中投資する。ファンドマネージャーは運用経験があり、米大手運用会社のキャピタルグループの日本法人で社長も務めた吉野永之助CIO(チーフ・インベストメント・オフィサー)、アナリストは元野村証券のアナリストで定評があった佐藤明社外パートナーがそれぞれ担当する。

信託報酬によるコモンズ投信の収益の一部を寄付する計画があるようだが。

伊井氏:

寄付も長期投資の一つと考えている。社会に資金を循環させることを強く意識した背景には、日本の資本主義の父ともいわれる渋澤栄一氏の子孫の渋澤健が当社の会長を務めていることもあった。

ただ、当社の収益は株主のモノともいえるので、今後は委員会を設立して受益者と株主の双方の意見を聞きながら、寄付先などを決める方針だ。


執筆:QBR 根岸てるみ(掲載日:2009年02月13日)

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