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中国・アジア新興国特集 [ インドの産業/インフラストラクチャー動向 ]

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【第6回】

インフラストラクチャー:道路

 

道路――総延長は世界第3位だが舗装道路は半分以下。
自動車普及のスピードに整備が追いつかず、渋滞が問題に

インドの高速道路インドの高速道路
インドの道路総延長は332万キロメートルにも及び、米国、中国に次いで世界第3位(2007年、国際道路連盟)を誇る。ただ、舗装率は47%と日本の6割程度にとどまり(BRICsの中ではロシアに次いで2番目に高い)、雨季になると周辺道路がすべて水没してしまう農村の割合が約30−40%にも上る(世界銀行)。インド国内の輸送量全体に占める道路輸送の比率は最も大きく、貨物輸送の60%、旅客輸送の87%を担う(陸運幹線道路省)。
■主な国道整備事業主な国道整備事業
近年、所得水準の向上に伴う自動車の普及拡大を背景に、自動車登録台数は1991年以降、年率平均10%で増加し、2006年3月末時点では8,962台と、91年時に比べて実に4.2倍にも増加した。政府はこうしたモータリゼーションに対応すべく、予算数百億ドル規模の大型国道事業を推進している。その目玉が、デリー、ムンバイ、チェンナイ、コルカタの4大都市を両側4〜8車線の大型道路で結ぶ「黄金の四角形」と、国土の東西南北の端を十字型に大型道路で結ぶ「東西南北回廊」の2大プロジェクトだ。「黄金の四角形」は全長5,846キロメートル。今年10月末時点で99.3%が完成している。一方、「東西南北回廊」は全長7,300キロメートル。今年10月末時点で72.9%が完成している。
インドの通勤ラッシュインドの通勤ラッシュ。自動車以外に、バイク、自転車、人の姿が
しかし、こうした取り組みにもかかわらず、1991−2006年の国道総延長の伸びは年率4.5%と、自動車登録台数の伸びの半分以下にとどまっており、道路需要の急増に整備が追いついていないため、都市部では慢性的な渋滞が問題となっている。こうした渋滞の解消策として、道路の立体交差化やパークアンドライド駐車場の整備などが各都市で進められている。また、渋滞解消策として、有料道路も各地で建設されているが、開通した有料道路に交通量が集中して、結局、渋滞になるといった例も多いことから、対策として、現在一部で運用されているICタグ方式の自動料金収受システム(ETC)を、2012年5月までに全国導入する計画を進めている。
高速道路上にはこんな光景も高速道路上にはこんな光景も
こうしたインドの道路整備事業に、これまで日本は、国道2号線、5号線、24号線の拡幅事業、ハイデラバード外環道路建設事業などへの円借款を通じて資金面で関わってきたが、インドの道路整備事業のほとんどを地場企業がBOT(建設・運営・譲渡)方式で請け負っていることもあって、直接的な関わりは薄いのが現状。しかし、東日本高速道路が今年5月にデリー事務所を開設、来年には高速道路会社3社が共同で設立する新会社を通じて、運営・管理業務、建設を含むパッケージ型のインフラの受注獲得に動くとみられ、今後、直接参画の実績が増えていくことが期待される。
■インドのインフラ開発大手
企業名 概要
ラーセン&トゥブロ 建設系コングロマリット。社名の由来は、ヘニング・ホルク・ラーセンとソレン・クリスチャン・トゥブロという2人のエンジニアが1938年にムンバイで創業したことから来ている。現在も本社はムンバイにあり、インド国内の18カ所に工場を持つ。
建設・エンジニアリング部門、重機部門、電力部門、電子・電機部門、建機、鉱業機械部門、IT部門、ファイナンス部門鉄道部門に大別される。建設・エンジニアリング部門では、ビル・工場設備、道路、発電、空港、港湾、鉄道、石油ガスなど様々なインフラ建設、セメント、造船、国防・原子力・航空宇宙など分野は多岐にわたっている。建機分野では日本のコマツと合弁会社を設立。対中国、中東向けビジネスが拡大しているほか、2010年には、送・配電市場で南アフリカへ進出を果たす。
今年に入り、インド高速道路公団(NHAI)からタミル・ナドゥ州での道路建設プロジェクトを145億ルピーで受注。契約には「黄金の四辺形」の6車線化工事も含まれ、30カ月以内の完工を予定している。
ジャイプラカシュ・アソシエーツ インフラ開発大手。ジャイピー財閥の旗艦企業。建設・エンジニアリング部門を中核としており、その他セメント部門(国内3位)、ホテル・不動産部門などがある。
今後5年で7,000億ルピーを投じるウッタル・プラデシュ州のガンガー高速道路(長さ1,047キロメートル、8車線)建設をはじめ、国や州が推し進める高速道路建設や水力発電事業を主な成長機会としている。
また、インフラ建設に関わる素材分野へ多角化を展開しており、従来のセメント事業のほか、07年には製鉄会社マルビカ・スチールを20億7,000万ルピーで買収し、鉄鋼分野に進出している。
リライアンス・インフラストラクチャー リライアンス財閥から分派したリライアンス・ADA(アニル・ディルバイ・アンバニ)財閥の旗艦企業の1つ。2002年にリライアンス・エナジーより改名され誕生した。通常の発電、送配電に加え、電力分野でのインフラ構築・エンジニアリングも行っている。ムンバイ、デリーを含む異なる地域で電力サービスを提供。発電エネルギーは、ガス、石炭、風力、水力発電など。
国が進める電力インフラ整備計画「ウルトラ・メガ・パワー・プロジェクト」に関わっており、子会社リライアンス・パワーの上場(2008年)は、インドにおけるIPOとしては当時過去最大の1,150億ルピーを調達した(注)。2009年度の売り上げは、1,569億ルピー。
2010年10月現在、NHAIから11件の高速道路プロジェクトを請け負っており、NHAIにとっては最大の業務委託先。契約の対象となっている道路の総距離は1,000キロメートルに及び、受注総額は約1,200億ルピーに達している。

(注)今年、上場を果たしたインド石炭公社が1,500億ルピー超の資金を調達し、過去最大となった
GMRインフラ 不動産大手GMRグループ傘下のインフラ開発企業。今年に入り、同社の道路事業としては9度目となるカルナタカ州での高速道路開発事業を170億ルピーで受注。
プンジュ・ロイド エンジニアリング・建設大手。パイプライン建設で事業を始める。1992年、同社初の海外事業となるインドネシアのジャカルタ−バロンガン間のプロダクト・パイプライン建設事業を受注。以後、道路建設、発電所建設などへも進出し、2006年に上場を果たす。同年、シンガポールのセンバワン・エンジニアーズ・アンド・コンストラクターズとイギリスのサイモン・カーブを買収。石油化学製品、エンジニアリング、(空港整備、防波堤整備、大量高速輸送整備、ホテル建設、リゾート建設など)都市インフラ開発などの事業へも拡大を図る。
2009年度の売上高は約750億ルピー。
掲載日:2011年01月06日

株式会社インド・ビジネス・センター
1997年設立。インド進出、インド事業強化を検討している企業をあらゆる面でサポートするインドビジネス専門のコンサルティング会社。創刊14年目を迎えるインドビジネス専門の月刊誌「インド・ウォッチャー」の発行や、法人向けインドニュース配信サイト「ビジネスプレミアム」を運営。



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