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トップ > 株式 > 中国・アジア新興国特集 > ベトナムの素顔 成長力を読み解く 中国・アジア新興国特集 [ ベトナムの素顔 成長力を読み解く ]ソーシャルブックマークに登録:
【第18回】ベトナム世界遺産と鉄道にみる観光経済効果
世界遺産を巡る旅が、日本人の観光スタイルに定着するようになって久しい。世界遺産は一見してシニアが好む旅行目的形態とおもわれがちだが、あながち若年層ほど惹かれる傾向にある。
若い世代に興味が高い世界遺産観光 旅行経験値の違い 日本人は、とかく世界遺産好きといわれる。世界遺産を巡る旅は人気が高く、旅行産業界でも有望マーケットとされているが、世界遺産を訪ねてみたいと希望する層は、意外やシニアより若年世代に多いことが調査の結果でわかっている(図表1)。
旅行経験値が豊かなシニア世代より、若年層ほど「世界遺産」という言葉に動機づけられることを意味している。
ヘリテージ(遺産、遺跡)をめぐる旅は、今にブームが始まったことではない。しかし近年、白川郷(岐阜県)や石見銀山(島根県)など身近な観光資源が国連の教育科学文化機関・ユネスコに世界遺産登録されたことなどから、観光モチベーションの貴重なキーワードとして「世界遺産」が注目されるようになってきた。 ベトナムを含むメコンエリアには普遍的価値を顕著に示す遺産が多く、ベトナムはそのゲートウェイとしても注目されている。メコンエリアのなかでもっとも人気が高いのが、カンボジアのアンコール遺跡群である。最寄りのシェムリアップ空港までの玄関口にタイやシンガポールと並び、ベトナムを経由する観光客が少なくない。 またベトナムの隣国・ラオスもしかりだ。メコンデルタの肥沃な大地に栄えた都・ルアンパバーンの街全体が世界遺産登録を受けているが、やはりハノイを乗継ぎの拠点に日本からの観光客が絶えない。 これらメコンエリア周辺国は、観光旅行経済のGDPに占める割合比が比較的高い。いかに観光業が主要産業にあるかを意味している(図表2)。 鉄道が及ぼす経済効果で世界遺産を結ぶベトナム
世界遺産フエの建造物群のひとつ、グエン朝王宮・王宮門はベトナム戦争時、激戦の地ともなった 当のベトナムはといえば、5つの世界遺産に恵まれる。そのうちハノイから日帰り圏のハロン湾(自然遺産)を除く4カ所が、ベトナム中部に位置している。グエン王朝の都として知られるフエHue の建造物群(文化遺産)、東西貿易の拠点として日本人街も形成されていた古都・ホイアン Hoi An(文化遺産)、ベトナム戦争で破壊が危ぶまれたミーソン遺跡 My Son(文化遺産)、エコツーリズムのスポットとしても注目されているフォンニャ・ケバン国立公園 Phong Nha Ke Bang(自然遺産) である。 この4遺産は、ベトナム中部最大の都市・ダナンを拠点に観光するものが多く、期待されるのが南北高速鉄道(通称:ベトナム新幹線)の開通だ。北のハノイと南のホーチミンのちょうど中間に位置するダナンは白砂の海岸線が特徴で、米国の雑誌「フォーブス」に世界の豪華なビーチの一つに挙げられるほど注目度が高い。
ヒンズーの神を祀ったミーソン遺跡 群は1999年にユネスコの世界遺産 日本の新幹線方式を採用したことで知られる台湾の場合、国内移動が空から鉄道へと需要も変遷したことで、おもに国内線に利用してきた台北・松山空港を、大陸や日本とを結ぶ国際線ターミナルへと転用させた。 ベトナムも今後、新幹線の導入で陸路移動の利便性が飛躍的に増すことで、あらたな観光ルートの開発が可能になる。そうしたことから、すでにダナンへは多くの観光開発が世界から資金を集め行われている。ダナンが誇るティエンサ海港は、東西経済回廊の起点にもなる。人やモノが交差するダナンに、光があたる日はそう遠くない。 取材執筆:千葉千枝子(掲載日:2011年03月16日) プロフィール :千葉千枝子 Chieko Chiba 観光ジャーナリスト。東京成徳短大観光学講師。中央大学卒業後、富士銀行、シティバンクを経てJTB へ入社。96 年、有限会社を設立。旅と金融をテーマに、運輸・観光業全般の論評、執筆・講演活動を行う。著書に「JTB 旅をみがく現場力」(東洋経済新報社)など。 この特集のバックナンバー
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