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中国・アジア新興国特集 [ 台湾 アジア一の親日国 ]

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【第7回】

台湾経由で中国へ伝わる日本の温泉

90年代から続く台湾の温泉ブーム。国内の温泉を楽しむのはもちろん、日本の温泉地まで足を伸ばす人たちも増えている。そして金沢の老舗旅館、加賀屋が台湾進出を決定した。


和をイメージした高級温泉旅館

台湾の温泉ブームには日本の温泉グルメ番組の影響が大きい。そのため温泉=日本のイメージが強く、台湾の温泉施設でも“和”をテーマにしたところが多い。ホテル・ロイヤル・タイペイ(老爺大酒店)などを有する老爺集團がプロデュースする礁渓老爺大酒店はその代表例で、HPを開くと着物姿の女性の写真がまず表れ、一番人気は露天風呂を併設した畳の和屋だ。室内には浴衣や草履、室外の温泉に持参できるようアメニティなどをまとめた和柄のバッグまで用意されており、日本の旅館にいる錯覚に陥ってしまう。座卓には日本茶と地元銘菓がサービスされるのも心憎い。

半露天の大浴場には伊豆から運んだ石材を採用し、日本の山奥にいる雰囲気を演出。本格和食が自慢のレストランや、台湾初の日本酒バーも併設している。宿泊料金は一人4,600元(約12,900円)と台湾では最高級のレベルに入るが、2005年の開業以来、予約が取りにくい状態が続いていると言う。


(左)温泉が各部屋(中)スタッフによる日本茶のサービスも
(右)洋室でもベッドは和風

老舗の加賀屋が台湾に進出

ますます盛り上がる台湾の温泉ブームだが、最近は国内の温泉地に飽き足らず、“本場”日本まで足を伸ばすことがトレンドとなっている。台湾の日本旅行パンフレットを見ると温泉とショッピングをテーマにしたものが多く、東京旅行でも箱根と秋葉原は欠かせないスポットだそうだ。また北海道や東北などでは、台湾では珍しい紅葉や雪と温泉をパッケージにして売り込む自治体や施設も多い。

ここに目をつけたのが金沢の老舗旅館である加賀屋だ。2010年末に台北市の北投に「北投加賀屋」をオープンする予定で、同社にとって初の海外店舗となる。加賀屋における外国人観光客の9割、約1万5千人が台湾人であること、また台湾人が親日的であることが主な進出理由だそうだ。建物は地下3 階、地上14 階建の数寄屋造りをイメージしたデザインで、畳の和室や純日本式の大浴場が登場すると言う。料金は1泊7,000〜8,000元で、ターゲットの7割が台湾人。加賀屋で仲居のトレーニングを積んだ台湾人スタッフが、日本旅館のもてなしの心を台湾に伝えるそうだ。


礁渓老爺大酒店

台湾の温泉は本土の中国人にも人気が高く、礁渓老爺大酒店や加賀屋に宿泊し温泉の魅力を体験した中国の富裕層が、次に日本の温泉地に向かう可能性は高いだろう。温泉もまた、台湾を経由して中国本土に向かう日本文化の一つなのだ。


執筆:渡辺千晶(掲載日:2010年06月04日)



プロフィール :渡辺千晶 (Watanabe Chiaki)
早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。外資系商社、証券会社等を経て、台湾観光情報サイト「旅々台北.com」の設立に関わる。台湾コンシェルジュとして、チャイナ エアラインHP、トラベルジャーナル、ガイドブック、雑誌などのメディアに、硬軟とりまぜた台湾情報を寄稿。地方自治体へ日本市場開拓のアドバイスも行う。
 


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