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かば子

株式 [ 企業を知るには製品から ]

【第121回】

ナカバヤシ株式会社(7987)

オフィスの小さなリサイクル工場「ホワイトゴート」

 

シュレッダ紙片をその場でトイレットペーパーに!

 
環境との調和や共生が企業の重要な社会的責任として求められる中、シュレッダ紙片の再利用により、ごみの減量やCO2の削減、資源保護を図るとともに、完璧な機密抹消を可能にしたのがナカバヤシのトイレットペーパー製造機「ホワイトゴート」。究極のセキュリティ&リサイクルを実現したこの機械についてお伺いしてきました。

シュレッダ紙片を原料に、全自動でトイレットペーパーを製造する「ホワイトゴート」。

 

シュレッダ紙片が焼却されるのは"もったいない!"

 
2005年4月に個人情報保護法が完全施行され、シュレッダの需要は急増。それに伴いオフィスや事業所で発生するシュレッダ紙片も増加したが、"繊維が寸断されてリサイクルできない"と思われ、ごみとして焼却されている場合が多い。
そんな状況に一石を投じたのが、「ホワイトゴート」。事務用機械メーカーの合資会社オリエンタルが開発し、ナカバヤシ株式会社が2009年10月より販売している。
「日本で最初にシュレッダを開発したオリエンタルが、"シュレッダ紙片はリサイクル可能な資源であるにも関わらず、ごみとして焼却されているのは、もったいない!"との思いから開発をスタートさせました」とナカバヤシの環境・事務機カンパニー/環境パピルス営業部 統括マネージャー水本雅和氏。
 

想像を超える"面白くて、画期的な商品"

 
2009年春。同社の経営トップが「ホワイトゴート」の存在を知り、"なんて面白いんだ!"と。そこで、早速、水本氏と社長の辻村肇氏がオリエンタルを訪れた。
「この機械を見た瞬間、"これはすごい!""絶対に世に出すべき商品だ"と2人で感嘆の声を上げ、"販売を一気に請け負いたい"とその場でお願いしたほどです。
製紙会社にもシュレッダ紙片をリサイクルする機械はありましたが、非常に大きなもの。それがたたみ一畳分の大きさ!しかも通常のオフィスが装備する100ボルト電源を使って動かせ、薬品を一切使わず、排水設備不要。どの要素をみても画期的な商品でした。
しかも、シュレッダ紙片を外部に持ち出す必要もないので、完璧な機密保持を行えます」

シュレッダ紙片と水を入れてスイッチを押すだけの簡単操作で、30分後にはトイレットペーパーが完成する。

 

『リサイクルの見える化』『社産社消』を提案

 
新聞紙やペットボトルが、資源として回収された後、どういう工程を経て、どんな製品になるかわからないが、「ホワイトゴート」なら投入したシュレッダ紙片が、その場でトイレットペーパーになる。まさに『リサイクルの見える化』だ。
「リサイクルとは、自分のところで発生したものを活用して、自分のところで消費する『社産社消』が本来の姿です。オフィスにおいて完全なリサイクルの輪を完成させる『ホワイトゴート』は、リサイクルの究極を説いた商品です」
 

必要なのはシュレッダ紙片と水だけ

 

トイレットペーパーは70〜80mの芯なしタイプ。紙の厚みは市販品とほぼ同じ。切りやすく、水に溶けやすい。
トイレットペーパー1個作るのに必要なのは、シュレッダ紙片約150g(A4コピー用紙約40枚分)、電気約550Wh(約10円)、水約0.15リットル(約0.025円)。シュレッダ紙片を投入すると、全自動で溶解、紙抄き、乾燥、巻取り工程を経てトイレットペーパーができる。
「開発で苦労したのは、薄い紙のトイレットペーパーを安定して長時間作り続けること。そして、オフィスなどで使うため、乾燥工程で高温にならないようにすることでした。何度もの挫折を繰り返し、15年もの歳月を経て完成しました」

 

企業のCSR対策に役立てほしい!

 
販売価格900万円に、毎月のメンテナンス料(年間40万円)が必要だ。 「コスト削減が叫ばれる中、コストパフォーマンスだけを見ると高くなりますが、それをコストと捉えるか、未来への投資と捉えるかです」  シュレッダ紙片を焼却ごみとして廃棄する場合に比べ、約60%のCO2削減効果があり、1年間で標準木60本以上を守ることが出来る。 「リサイクルやセキュリティへの取り組みが、企業の信頼とイメージ向上につながるため、企業のCSR対策に役立ててほしいですね。また、リサイクルとは何か?を伝えられる社会教育的な機械でもあるため、官公庁や公共機関などでも導入していただければと思います」  導入事例はまだ少ないが、例えば桐生市(群馬県)では、市役所の正面玄関のロビーに設置し、市民がトイレットペーパーを持ち帰れるようになっている。
 

資源循環を支えるパピルスネットワーク

 
同社は20年近く前から大型シュレッダを販売し、オフィスで発生した古紙を回収、製紙会社に持ち込んで再生し、それを再生品として還元する事業を行っているが、それを集約したのが「ホワイトゴート」だったのだ。 「古紙全体の回収率が73.6%まで伸びている中、オフィス古紙の回収率はまだまだ低いのが現状です。『ホワイトゴート』をはじめ、オフィス古紙リサイクルネットワーク『パピルスネットワーク』などを活かしながら、各企業の機密情報と環境への取り組みをサポートしたいと思います」

同社が中心となり、オフィス古紙の機密を保持しながらリサイクルすることを目的に結成された全国組織「パピルスネットワーク」。
 

情報の整理・整頓・保存、そして情報の抹消

 

必要なときにのみ利用できる大型シュレッダ搭載車「エコポリスバン」。個人情報や機密書類を目の前で細断する出張細断サービス。
「1923(大正12)年の創業以降、アルバムや手帳など情報の整理・整頓・保存に関わる商品を提案してきましたが、その延長線上に"情報の抹消"があります」  企業の核となる軸をぶらすことなく、顧客志向を追及しながら、ニッチ市場でのグローバルオンリーワンを目指してきた同社。 「メーカーとしての責任意識が非常に強く、"誠実に真実をお話して、受け入れてもらえるところに売っていこう"という姿勢が創業以来脈々と流れています」  だからこそ「ホワイトゴート」のようなユニークで、社会的意義のある商品を世に送り出せるのだろう。
 

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執筆:QBR、掲載日:2010年月08月20日

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