株式 [ 企業を知るには製品から ]

- これまで「おじさんのスポーツ」というイメージが強かったゴルフ。最近では、都心にゴルフバーができるなど若い世代にも徐々に浸透している。女子ゴルファーの宮里藍選手や「ハニカミ王子」の愛称を持つ石川遼選手ら若手の活躍も、業界には“フォロー”だ。全国で124コースのゴルフ場を運営するアコーディア・ゴルフは「カジュアルで楽しいゴルフ」をモットーに、早朝や夕方スタートなど時間や予算に合わせた多彩なプレーサービスを展開し、入場者数を着実に増やしている。

習志野カントリークラブ キング・クイーンコース (千葉県印西市)
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かつては非日常を楽しむ社交の場
- 日本にゴルフがもたらされたのは100年ほど前。「最初の70年間は、“特別な人のスポーツ”でしたが、その後、ゴルフを取り巻く環境は大きく変わっていきました。そのきっかけは、預託金制度の導入です。これは、会員権を購入し、うち1割程度を入会金として収め、残り9割を10年後に無利息で返すというもの。ゴルフ運営会社は、その資金を元手にゴルフ場を作るようになったのです」とアコーディア・ゴルフ経営戦略室副室長の宮原保さん。
- しかし、ゴルフは日の出に始まり日の入りに終わるスポーツ。1日にプレーできるゴルファーの数が限られている限界産業だ。そのためバブル期には、まず、ゴルフをしたい人がこぞって会員権を購入。そのうち会員権が投資対象になり、ゴルフをしない人も購入するというビジネスモデルになっていった。
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バブル崩壊でゴルフ業界は苦境に
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石岡ゴルフ倶楽部(茨城県小美玉市)
- バブル崩壊とともに、預託金の返還請求が一挙に増え、その返済に追われるだけでなく、消費の低迷でゴルファーが激減。ゴルフ場運営会社が相次いで破綻した。
- そんな中、当時国内最大のゴルフ場運営会社であった日東興業も倒産。2001年にゴールドマン・サックス グループの資本参加を機に、「ゴルフをスポーツとして楽しんでもらう」という原点に立ち戻り、再出発を図る。業績の悪化したゴルフ場の再生や買収などで運営ゴルフ場数の拡大を推進し、2006年11月には東証一部に上場するまでに成長する。
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ゴルフ場での1日を楽しんでもらう
- 「日本のゴルフは、敷居が高い、中高年男性のスポーツ、ビジネスでのお付き合い、朝から晩まで1日かかるというネガティブなイメージがありました。それを払拭し、ゴルフを心から楽しんでもらうために、4つの基本原則を軸に事業を展開しました」
- 1つ目は、「コースコンディション」。広大な敷地をベストな状態で維持するため、グループのスケールメリットを生かし、管理資材の集中購買システムを構築。低コストで高品質な素材を調達することで、効率的なコース管理を行う。また、アグロノミー(栽培学・農耕学)による科学的な管理手法を導入し、各コースに合った最適なコース管理を実施。
- 2つ目は、「プレースタイル」。ゴルフをより気軽に、よりリーズナブルに、という顧客の様々な要望に応え、曜日や時間、予算などに合わせて自由に選べる多彩なプレースタイルを用意した。夕方からのハーフラウンドや、お昼前には帰宅できる早朝スタートのスループレー、カートでボールのすぐ近くまでいける「フェアウェイへの乗用カートの乗り入れ」など、次々に顧客のニーズにあった新しいサービスを展開している。
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もう一度足を運びたいと思えるゴルフ場に
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青島ゴルフ倶楽部(宮崎県宮崎市)
- 3つ目は、「プロショップ」。従来ゴルフ場では、ボールなど必要最低限のものを定価で販売するのが当たり前だった。そこで、量販店と変らないリーズナブルな価格と豊富な品揃えで商品を提供。4つ目は、「レストラン」。ゴルフ場のレストランは、市内で食べるよりも割高で、メニューのバリエーションも少ない場合が多い。そこで、レストラン専門の運営会社に委託し、セットメニューやアラカルトなどからいろいろ選べる季節や地域の素材を生かした料理を提供している。
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ゴルフを始める若い女性が増える
- ゴルフ人口は、バブル期には約1600万人いたが、今や約1000万人。2020年頃には600万人程度まで減るという予想もある。また、ゴルフ業界全体の売り上げは、バブル期の2兆円から2005年には1兆1300億円へと大幅ダウンした。
「売り上げは、ようやく下げ止まった感じです。バブル期の頃は“いいゴルフ場を作れば、あとは待っていればいい”という受身の業界でしたが、これからは攻めのマーケティングが求められます」
- ゴルフプレーヤーは中高年男性が多いが、時間とお金に余裕のある50代、60代の女性も増加。また、宮里藍さんをはじめ若手女性ゴルファーの活躍の影響で、若年層の間でもゴルフを始める女性が増えている。若年層がゴルフを身近なスポーツと感じてくれれば、10年後、20年後この業界を牽引してくれるはず。そのため若手ゴルファーの育成が最重要課題になっているという。
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ゴルフ練習場との提携を進める
- 現在、アコーディア・ゴルフは、ゴルフ練習場との提携を積極的に進めている。練習場の経営そのものが目的ではなく、ゴルファーの練習場とコースの行き来を活性化させることが狙いだ。
- 「業界全体を見ても、ゴルフ場とゴルフ練習場の提携はありませんでした。今後、両者が手を取り合ってゴルフ人口を増やさないと共倒れになってしまいます」
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2007年5月にオープンした直営ゴルフ練習場第1号店「アコーディア・ガーデン 柏」(千葉県柏市)
- ゴルフの醍醐味は、自然の中でスポーツできること。その楽しさを知ってもらおうと、アコーディア・ゴルフ運営の練習場で開校されているスクールのレッスンカリキュラムには、早い段階で実際にゴルフ場に行き、実戦で技術を身につけると同時にコースでプレーする楽しさを体感できるという提携のメリットが生かされている。
「コースに出て課題点を発見すれば、それを改善するために練習場に足を運びます。そして、再びコースへ。その好循環こそが、業界全体の活性化につながるのではないでしょうか」
- ゴルフをより身近なスポーツへ。アコーディア・ゴルフの挑戦はまだまだ続きそうだ。
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アコーディア・ゴルフの2008年3月期第1四半期(07年4−6月期)の連結業績は、営業収益が前年同期比16.8%増の207億6200万円、経常利益が同8.3%増の42億8100万円となった。保有・運営受託するコース数が前年同期末に比べ27コース増の124コースとなり、早朝・薄暮の時間帯プレーなどのサービスが奏功し、第1四半期の入場者数は前年同期比23万人増の164万人となった。天候に恵まれたことも要因という。純利益は前年同期比8.5%減の33億9500万円。同社は株主優待制度を新設、9月末の株主にグループの主なゴルフ場の利用優待券(5000円分)と同伴者用割引券(500円分)を配る。
(QUICK MoneyLife)
- 掲載日:2007年10月1日
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