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株式 [ 企業を知るには製品から ]
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缶入り味噌汁の開発秘話!
- 缶コーヒーの「ルーツ」や緑茶飲料の「辻利」でお馴染みのJTから新しい飲み物が誕生した。その名は「しじみエキス入り味噌汁」。そう、缶で飲める味噌汁だ。2008年9月の発売時に缶入りの味噌汁は市場に存在しない。もちろん同社でも初の取り組みだ。それだけに開発には大変な苦労があったという。JTで開発秘話をお伺いしてきました。
「しじみエキス入り味噌汁」
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二日酔いでも手軽にグッと飲める味噌汁がつくりたかった!
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- 「辻利」などの飲料開発を担当しているJTの飲料事業部商品統括部の上野健史さん。2007年に同社が発売した、スープカレーに続く新しい飲料の開発を任された。
- 「コーンスープのような当たり前なものはつまらない。手軽に飲んでもらいたいのでおでん缶もちょっと違う。何か新しいスープ飲料をという漠然としたイメージで開発をはじめました」(上野さん)
- たまたま開発メンバーと“二日酔いの時に買う飲料”をテーマに話し合うとスポーツ飲料やミネラルウォーターという意見が出るなか“やっぱり家の味噌汁が一番効くんだよね”という一言が耳に残った。そこで、市場調査をしたところ、単身世帯の増加に伴う個食化から即席味噌汁市場が伸長していることが判明。そこから上野さんは味噌汁に着目するようになった。
- 「私は、お昼は弁当を持ってきているのですが、たまたま会社にお椀があったので即席の味噌汁も一緒にいただいています。しかし、同僚からは“よくそんな面倒くさいことをしているね”と言われたのです。私自身は苦ではなかったのですが、確かに飲んだ後はお椀を洗わないといけないし、お湯を沸かして注がなければいけない。それなら、お箸もお椀もお湯も必要のない味噌汁をつくれば売れるかもしれない! と直感的に思いました。調べてみると即席やカップの味噌汁はたくさんあるのに開発をはじめた2007年の時点で缶入りはない。これは商機があると思い缶入り味噌汁を開発することに決めました」(上野さん)
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製品化は難しい。逆風からスタートした開発
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- しかし、新商品は缶入りの味噌汁と決めたものの、実際に開発メンバーに話しを持ちかけたところ「とんでもない!」という返事ばかりで、開発は反対という意見が多かったという。
- 「緑茶飲料などと違いはじめて取り組む商品だったので“本当にできるのか”という意見が多かったですね。味噌汁は日本の伝統食です。そのため、お客さま一人ひとりこだわりがある。皆さまが納得する味をつくらなければいけません。また、自動販売機やコンビ二のウォーマーに入れて販売されるので缶入りの味噌汁は煮込まれている状態になります。その状態で同じ味を維持することが難しいという問題点もありました」(上野さん)
- この無理難題を解決するために、飲料開発グループと調味料などの開発を行っている食品事業部が協力することになった。
- 「“味噌汁は赤味噌に限る”など、開発メンバーのこだわりもあり味噌選びから大変でした。また、二日酔い対策と出汁を効かせた味噌汁にするためにしじみエキスを入れることにしたのですが、しじみの産地も厳選したい。開発が進むにつれて、当初は開発に難色を示していたメンバーたちもはじめての味噌汁づくりに夢中になって取り組みました」(上野さん)
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100種類以上の水準からようやく理想の味を発見!
- それでも、理想の味噌汁をつくることは難しかった。試飲をしても、「まずい!」「出汁の味がなく、水みたいだ」ということが何度もあった。味噌の配合やしじみエキスの濃度の調整という思考錯誤を繰り返した結果、ようやく“これだ!”という味が見つかった。
- 「日本中から味噌を取り寄せて、100種類以上の水準を試作し、何度も何度も味の調整をしました。そこでやっと辿りついたのが合わせ味噌です。厳密には白味噌をベースにした合わせ味噌ですね。缶に入れて温められた状態でも美味しく、一番理想的な味でした。しじみは宍道湖産など国産を採用しました。コストは掛かりましたがしっかりと出汁が効いた味にするには国産しか考えられなかったですね。手軽に飲めることを目指していたのであえて具は入れませんでした。当社が開発した酵母エキス“バーテックス”を配合することで旨みがグーンとアップして、しじみの味噌汁本来の自然な味わいに仕上げることができました」(上野さん)
- バーテックスは、アミノ酸やペプタイド、ミネラル分を含む天然調味料。自然な旨みや後口の余韻を引き出すことができることから、様々な食品に用いられている。缶入り味噌汁の味の決め手となった。
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開発スタッフのこだわりや商品化への強い思いが開発を成功に導く
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- こうして、無事に完成した缶入りの味噌汁。全国のコンビ二や自動販売機などを中心に販売されている。
- 「先日、旅行で訪れた石垣島でも缶入り味噌汁を購入しているお客さまを見かけました。うれしかったですね。オフィスでも車内でも手軽に楽しめる味噌汁として定着して欲しいですね」(上野さん)
- 最後に開発を成功に導いた秘けつをお伺いしてみた。
- 「味噌汁は馴染み深い食べ物なので開発メンバーの思い入れも半端じゃない。味噌やしじみへのこだわりを話しだしたら盛り上がってしまい意見をまとめるのが大変でした(笑)。市場になく当社の初めての試みでもあったので何としても美味しい缶入りの味噌汁をつくりたいという思いも強かったですね。良い製品はそんな熱い現場から生まれるものかもしれません」(上野さん)
- もうすぐ忘年会シーズンの到来。今年はこの「しじみエキス入り味噌汁」が大活躍するかも? 今後の動向に注目したい。
開発を担当した上野さん
- 執筆:QBR、掲載日:2008年月12月08日
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