株式 [ 企業を知るには製品から ]

【第84回】

デサント(8114)

「ヘルスアッププログラム」

 

スポーツウェアだけじゃない! メタボ対策の特定保健指導代行サービスを開始

 
2008年4月から、40歳以上75歳未満の被保険者および被扶養者を対象として、メタボリックシンドロームの予防・解消に重点をおいた、生活習慣病予防のための新しい健診・保健指導の実施がスタート。そんな中、デサントはメタボリック予防のための健康管理ツール「XaviX+D3(ザビックスプラスディースリー)」を新世代株式会社と共同開発。これを使用して特定保健指導に連動した健康指導サービス『デサントヘルスアッププログラム』をスタートさせました。どのようなプログラムなのか、デサントに話を伺いました。  


 

「アクションセンサ」が日々の活動エネルギーを測定、3ヵ月間で目標達成を目指すプログラム

 

特定保健代行サービスと聞くと、何か難しいことを始めたのではないか、そんな風に感じる人もいるだろう。しかし、デサントが始めた『デサントヘルスアッププログラム』はいたってシンプルなもの。「『XaviX+D3』という装置に健康診断の結果を入力することで、各個人に最適な減量メニューが自動的に設定され、バーチャルなインストラクターの指導の下、自宅で毎日エクササイズするというものです」(第1部門 ヘルスマネジメント研究所所長 坂本弘氏)。
『デサントヘルスアッププログラム』のしくみはというと、スタートするときに3ヵ月後の体重などの目標数値を『XaviX+D3』に入力する。すると、1日に必要な運動量を計算してくれ、1日の終わりにその日の運動で足りなかった分だけウォーキングや迷路などいずれかのメニュー画面でエクササイズできる。その3ヵ月の間には、同社が開催する個別面談や月1回の運動・栄養集団セミナーなどが盛り込まれている「しっかりプラン」や、実技指導を含む運動セミナーのみ開催される「すっきりプラン」などもあるので、1人では挫折しがちな部分をフォローしてくれる。継続すると、3ヵ月後には目標数値をクリアできるというものだ。
プログラム自体はわかりやすい内容だが、『XaviX+D3』の機能は盛りだくさん。その1つが「アクションセンサ」だ。「『アクションセンサ』は、一般的な歩数計ほどのサイズの携帯用センサです。3軸加速度センサを搭載しているため、上下左右の動きも感知できます。常に携帯していただくと、階段の昇降や歩行、ジョギング、ランニングの判別を自動的に行いますので、日々の活動エネルギーを把握することができます」(坂本氏)。また、この「アクションセンサ」は、本体である「XaviXPORT(ザビックスポート)」につなぐと、1日のデータを記録することができる。「毎日のデータを『XaviXPORT』にストックしていけば、月ごとなどの活動エネルギーをグラフで表示できるため、健康管理のためのツールである“マイプログラムコントローラー”の役割も果たすのです」(坂本氏)。

 

新事業スタートの理由は“スポーツを好きになってもらいたい”という理念

 

「XaviX+D3」トップ画面
そもそもスポーツウェアメーカーである同社が、なぜ、このような新しい事業を始めたのだろうか。「根本的な当社の理念には“スポーツの楽しさを広めていこう”という考えがあります。しかし、人間は健康でなければスポーツを楽しむことはできません。そこで、健康関連の新規事業をスタートさせることとなったのです」(坂本氏)。その第1弾が2004年に経済産業省の助成事業としてスタートさせた介護予防事業「大東ダイナミックプロジェクト」。そして、介護予防のための運動指導者を育成する「介護予防トレーナー養成講座」だった。
「この養成講座は、たくさんの人に介護予防において必要な知識と技術を専門的に学んでいただき、地域での介護予防関連事業の指導員として活躍する人材を育成することを目標としています」(坂本氏)。この講座の特色は、企業の腰痛対策やトップアスリートのリハビリテーションなどを数多くサポートしている「医療法人貴島会ダイナミックスポーツ医学研究所」独自のトレーニング論や、平成16年度の経産省健康サービス産業創出支援事業で導入された”笑い”を取り入れた運動指導法など、さまざまな角度から介護予防を習得すること。「講座修了者はトレーナーとなり、高齢者でも楽しく継続できる介護予防運動のバックアップを行うことが可能になります。そのため、修了者には認定と登録を行い、すでに地域での介護予防サービスのトレーナーとして活躍していただいています。いわば、“地域介護予防サービスの出前”といったイメージですね」(坂本氏)。
この講座をスタートさせ軌道にのせると、次なるサービスの展開を企画。そこで出てきたのが『デサントヘルスアッププログラム』につながる“運動指導の出前”だったという。「高齢者の方々だけでなく、多くの人が病気になる手前の段階で“正しい運動”を学んでいただくことはとても大切なことであり、同社の事業領域であると判断しました」(坂本氏)。“正しい運動”を学んでもらうことで、多くの人にスポーツを好きになってもらいたい。そして最後には、同社のメイン事業であるスポーツウェアの販売にもつながればいい。そんな思いから、プログラム開発が始った。

 

スポーツウェアメーカーの商品だからこそ“正しい運動”を学びながらのエクササイズ

 
“おもちゃのようなものは作りたくない”そんな思いから、プログラム内容はできるだけリアリティ感のあるものを取り入れていったという坂本さん。『XaviX+D3』を販売する新世代とも、その理念がぴったり合ったため提携することとなった。「ゲームのように画面を見てただスポーツをしたような気持ちになるだけでは、“正しい運動”を学んでもらうことはできません。そこで、心拍数や有酸素運動など大切な言葉には別枠で画面にテキストを設けて説明を読めるようにしました」(坂本氏)。スポーツの楽しさを感じてもらいつつ、スポーツを軽く考えない姿勢を組み込むことこそが、まさにスポーツウェアメーカーである同社が販売している意義があるといえる。
2008年10月に発売した同プログラムは、主に健康保健組合などからの問い合わせが多いという。「新たな商品ですから、まずはどのようなものなのかをわかってもらわないといけません。今はまだみなさまに理解していただいている段階ですね。ビジネスとしてはまだまだこれからです」(坂本氏)。
4月からの年度始まりで、また需用が高まると予想される『デサントヘルスアッププログラム』。今後はスポーツ店での販売を通じて、個人のお客様も視野に入れていくという。1日を通して自分の運動量を把握したり、健康を管理できる同プログラムは、1度体験するとスポーツをすることがぐっと身近になるにちがいない。

「デサントヘルスアッププログラム」のセット内容

執筆:QBR、掲載日:2009年月3月13日

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