為替・金利 [ くりっく365を活用すると資産運用はもっと面白くなる! ]

【第1回】

FX取引でひろがる資産運用の選択肢

初めてFX取引にチャレンジしようとしているまる子さんは、大学を卒業して3年目の社会人。貿易会社に勤務し、輸出業務に携わっています。資産運用はひたすら預貯金のみ。そろそろ「外貨」も含めて投資に挑戦したいと思っている今日この頃。まる子さんは、為替博士を自認する同じ部のガイ為先輩に「外貨投資やってみようと思うんだけど、何から始めればいいかな?」と質問したところ、FX取引(外国為替証拠金取引)を勧められました。
 FXが誕生して12年。個人の外貨投資は、以前に比べて格段に身近なものになりました。ただ、FX取引は高いリスクを伴う危険な取引であるというイメージが先行し、初めての人にとってはなかなか近寄りがたい雰囲気もありました。しかしFX取引は自分のライフプランや目標に合わせて様々にカスタマイズできる便利なツールです。また、2010年8月からは「レバレッジ規制」がスタートし、資産運用ツールとしてのFXが注目を集めることになりそうです。
 そこでまる子さんはガイ為君に、FX取引の基本について質問してみました。

「そもそもFXってどんな商品なの?」


「FXというのはForeign Exchange(外国為替)の略語だね。2つの国や地域の通貨を交換するというのが外国為替取引だけど、特に「外国為替証拠金取引」という金融商品のことをFXと呼ぶことが多いね。」


「私、外貨預金から始めてみようかと思っているんだけど、FXと外貨預金って何が違うの?」


「例えば、米ドル/円の為替レートが1ドル=100円の時に1万ドル分の外貨預金をしようとしたら、100万円を用意する必要があるよね。でもFXの場合は、1万ドルの取引をするために資金の総額は必要ないんだよ。取引金額100万円の数%から数十%のお金を担保としてFX会社に預けることで、1万ドルの売買ができる。この預け入れる小額の担保が「証拠金」で、証拠金の何倍の取引金額を運用しているかの倍率を「レバレッジ」とよんでいるよ。少ない資金を準備するだけで、その何倍かの取引金額を運用できるレバレッジのしくみが、外貨預金や外国債券などの外貨建て金融商品にはない仕組みだね。」



「へぇ〜。どんな通貨を売買できるの?」


「東京金融取引所の「くりっく365」では、米ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円などの円を相手とする通貨ペアが12種類、ユーロ/米ドルのような外貨同士の通貨ペアが11種類も取引できるよ。
それから、FX取引で準備する資金は証拠金だから、それを何か他の通貨と交換するという取引をしているわけではないよ。FX取引では、最初に新規に外貨を買い、後で転売することで一連の売買が完結するんだ。新規に売買することを「ポジションを建てる(持つ)」とよんでいるんだよ。また、FX取引のもう1つの特徴だけど、「最初に外貨を売って、後から買い戻す」という取引もできるんだよ。」


「最初に外貨を持っていないのに、そんなことできるんだ。」


「うん。例えば米ドル/円でドルを買う取引ができるだけではなく、最初にドルを高い値段で売っておいて後から安い値段で買い戻すということができるよ。」


「最初にドル売り・円買いということは、円高局面でも利益が得られるということ?」


「その通り。外貨預金のように最初に日本円を外貨に交換する取引だと、円安・外貨高にならなければ為替差益を得ることができないよね。FX取引では外貨の売りから取引を始めることもできるから、もしまる子ちゃんが「これから円高がすすむ」と予想するなら、外貨を売れば為替差益を狙うことができるよ。これも、 FXと外貨預金との大きな違いだね。ただし、これは金利等の影響を考えないで、為替からの損益に限定した話だよ。」


「FXは外貨預金のように金利を得ることもできるの?」


「FXの場合、金利が低い国の通貨を売って、金利が高い国の通貨を買った場合には、その金利差相当分を「スワップポイント」として日々受け取ることができるよ。例えば日本の金利が年0.1%、ユーロ圏の金利が年1%のときにユーロ/円でユーロを買うと、1%−0.1%=0.9%のスワップポイントの1日分を1日単位で受け取ることができるんだ。ただし、逆に金利の高い国の通貨を売って、金利の低い国の通貨を買った場合には、スワップポイントを支払わなければならない。スワップポイントの支払いは取引コストになるから、金利の高い通貨を売る取引を長く続けるときには注意しなければならないね。」


【キーワード】
●スワップポイント●
「スワップポイント」とは2国間の通貨の金利差相当額のことで、ポジションを持っている期間にわたって毎日受払いが行われます。金利の低い通貨を売って金利の高い通貨を買うと、その金利差をスワップポイントとして受け取ることができます。例えば、日本と比較してオーストラリアの金利は比較的高いので、豪ドル/円で豪ドルの買いポジションを持つと金利差分から収益を得ることができます。しかし、高金利国通貨の売りポジションを持つと、逆にスワップポイントを支払わなければなりません。スワップポイントは2つの国の金利水準の変化によって毎日変動するので注意が必要です。また、最近では先進諸国の中央銀行が低金利政策を続けていることから、スワップポイントがかつての水準よりも小さくなっているようです。2つの国の金利水準が逆転するとスワップポイントが受取から支払いに変わることもありますので、よく観察する必要があります。
●レバレッジ規制●
FXの取引金額と証拠金額の倍率を表す「レバレッジ」は、法令によって上限が定められることになりました。レバレッジの上限は、2010年8月1日からは50倍、2011年8月1日からは25倍になります。レバレッジが25倍に制限された場合には、例えば1万ドル(為替レートが1ドル=100円のとき100万円)の取引金額に対して、4万円以上の証拠金が常に必要となります。レバレッジ規制がスタートすると、大きすぎるリスクを伴う取引ができなくなる一方で、一定量の取引により多額の証拠金が必要になります。

執筆:MoneyLife(掲載日:2010年07月26日)



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