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FX・CFD [金利先物]東京金融取引所 山下伸一氏に聞く「ユーロ円LIBOR6ヵ月金利先物」が上場。金利スワップ取引の利便性向上に期待『ユーロ円LIBOR6カ月金利先物』が1月30日、東京金融取引所(金融取)に上場した。日本の金融機関における金利スワップ取引の利便性向上を最大限に考慮したという同先物の上場の背景やねらい、具体的な活用法などについて、東京金融取引所の山下伸一市場部長に聞いた。 ■呼び値単位は0.0025、マーケットメイカー制度を導入まずは、「ユーロ円LIBOR6ヵ月金利先物」を上場させたねらいを教えてください。
東京金融取引所市場部長 山下伸一氏 山下氏: 「ユーロ円LIBOR6カ月金利先物」の原資産はユーロ円の6カ月LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)です。短期金利商品の取引は世界的に、3カ月LIBORを使うのが基本。ここでなぜ6カ月を採用したかというと、円の金利スワップでは変動金利に6カ月LIBORを使うことが市場慣行になっているからです。円の独自性を考慮したわけです。 日本の短期金利はここ10年ほど、ほとんど動いていないのはご承知の通りです。とはいえ、金利取引がストップしているわけではありません。短期市場は確かに動いていませんが、金利スワップは別です。金利スワップは2〜5年の中長期のタームを取引することが多いのですが、短期金利が動いていなくてもイールドカーブ(利回り曲線)は動いています。イールドカーブの変動に応じてポジションを取る「カーブ・プレイ」では活発に取引されており、取引残高も基本的に右肩上がりで推移しています。 つまり、比較的活発に取引されている金利スワップにフォーカスして、6カ月LIBORを原資産にしたわけです。その意味で「ユーロ円LIBOR6カ月金利先物」は短期金利のトレーダーではなく、日本の金融機関における金利スワップ取引の利便性を最大限に考えた商品性になっています。 仕組みとしての特徴はどこにありますか。 山下氏: 大きな特徴として、2つ挙げることができます。ひとつは、よりきめ細かく取引してほしいので、呼び値の単位(刻み)を0.0025にしています。これは、すでに当取引所に上場している、「ユーロ円3カ月金利先物」(原資産は3ヵ月ユーロ円 TIBOR=東京銀行間取引金利)の半分です。 ふたつめは、値付取引参加者制度の導入です。TIBORは基本的に国内短期貸出の指標金利。日本の金融機関における短期のスプレッド貸出はTIBORベースの取引が多いので、どうしてもユーロ円3カ月金利先物は短期になりがちです。金利スワップは中長期中心に取引されます。期先(長めの限月)での流動性を確保するために、複数の値付取引参加者が上場当初から流動性を供給します。 金利取引における日本市場ならではの特徴を教えてください。 山下氏: 金利スワップには大きく、「先スタート」と「スポットスタート」の2種類があります。日本ではスポットスタートが一般的で、2営業日後から金利計算が始まります。先スタートの一例には、金利先物の決済日に合わせて金利計算が始まる「IMMロール」と呼ばれる取引があります。 日本ではこれまで、金利先物の期先の流動性が低いこともあって、先スタートの金利スワップがほとんどできませんでした。将来、期先の流動性が高まれば、金利先物の期日に合わせた先スタートの取引も活発化するでしょう。実際にユーロドルの金利市場では、金利スワップと金利先物が互いにマネーフローが行き交い、市場全体に厚みがあります。「ユーロ円LIBOR6カ月金利先物」の上場が、日本の金利市場全体を活性化するきっかけになることを期待しています。 ■金利スワップのヘッジ・代替や裁定取引の機会拡大にLIBORを原資産とした上場商品であることのメリットもあります。
山下氏: 金利スワップのヘッジとして使われている金利デリバティブとしては、先スタートで金利差額を受け渡しするFRA(金利先渡契約)やSPS(シングル・ピリオド・スワップ=期間1回だけのスワップ取引)などが、店頭市場で取引されています。いずれも原資産はLIBORなので、「ユーロ円LIBOR6カ月金利先物」がその代替になり得ます。また、店頭取引にはカウンターパーティリスクがあり、煩雑な手続きが必要な場合があります。上場商品である「ユーロ円LIBOR6カ月金利先物」なら、それらの点で相対的なメリットがあるはずです。 今回の上場でTIBORとの間で流動性が分散してしまうことは、まったくないとは言い切れません。しかし、TIBORとLIBORはその位置づけや意味が違うと考えています。TIBORはあくまでも日本国内における短期貸出の指標金利であり、LIBORは金利デリバティブ用の金利。同じ短期金利でも活用するプレイヤーも違います。むしろ、よく似ているが違う動きをすることから、裁定取引の収益機会が拡大することが期待できるのではないでしょうか。
(出所:東京金融取引所) 金融機関では具体的に、「ユーロ円LIBOR6ヵ月金利先物」をどう活用できると考えていますか。 山下氏: 国内金融機関などでは、法人顧客にはTIBORベースのデリバティブを提供しながら金利市場のカバーにはLIBORを使うなど、TIBORとLIBORが混在しているケースがあります。TIBORとLIBORのズレを自行のバランスシートに持っている銀行では、そのリスクを軽減するためにTIBORとLIBOR の金利を交換するベーシススワップ(変動金利同士で金利交換)を活用するのが一般的。「ユーロ円LIBOR6カ月金利先物」の上場で、当取引所にはTIBORとLIBOR の両方が上場したことになります。両商品をご活用いただければ、LIBORとTIBORのスプレッドのリスクコントロールの点で利便性が向上するでしょう。 取引の拡大には、まずは期先の流動性を上げることが重要で、値付取引参加者の流動性供給に期待したいところです。いつでもきちんと値が付いていれば、海外のファンドからも注目されるはず。そのためには、ある程度のトラックレコードが必要になると思いますが、上場後数か月から半年くらいまでが大事。定率手数料は通常1枚あたり100円ですが、当初は期間限定で割引手数料の設定を考えています。上場半年ほどで、「ユーロ円3カ月金利先物」と同程度の取引数量に伸ばしたいと考えています。 QUICK MoneyLife(掲載日:2012年01月30日) この特集のバックナンバー
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